
ズッキーニは猫に与えても問題ない食材です。
低カロリーで水分が豊富なため、肥満気味の猫のダイエットや、水をあまり飲まない猫の水分補給として非常に役立つ可能性があります。

ズッキーニには、猫の健康を維持するために役立つ栄養素がバランスよく含まれています。主な成分とその効果について詳しく見ていきましょう。
ズッキーニの約95%は水分で構成されています。
自ら水を飲む習慣が少ない猫にとって、食事から自然に水分を摂取できることは、脱水予防や腎臓への負担を軽減する助けとなります。
カリウムは体内の不要な塩分(ナトリウム)を排出し、血圧を正常に保つ働きがあります。
細胞の浸透圧を調整する役割も担っており、神経伝達や筋肉の収縮をスムーズにする効果が期待できます。
ズッキーニには抗酸化作用を持つビタミンCが含まれています。
猫は体内でビタミンCを合成できますが、加齢やストレスによって不足しがちな場合に、食事から補うことで免疫力の維持をサポートします。
不溶性と水溶性の食物繊維がバランスよく含まれており、腸内環境を整える効果があります。
便通をスムーズにすることで、毛球症に注意したい猫の健康管理にも役立ちます。

学術論文「Beneficial effects of a prescription home-prepared diet and of zucchini on urine calcium oxalate supersaturation and urinary parameters in adult cats」の研究成果によると、ズッキーニ抽出物には尿路結石の形成を抑制する可能性が示唆されています。
この研究では、尿中に存在するカルシウムやシュウ酸の量が抑えられ、猫で多いシュウ酸カルシウム結石ができにくい尿になったことが確認されました。
完全に予防できるとはまだ断言できませんが、適切な摂取により下部尿路の健康維持に寄与することが期待されます。
出典元:Beneficial effects of a prescription home-prepared diet and of zucchini on urine calcium oxalate supersaturation and urinary parameters in adult cats
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35142590/

ズッキーニは基本的には安全な食材ですが、与え方や猫の状態によってはリスクを伴う場合があります。以下の注意点を必ず確認してください。
ウリ科の植物には「ククルビタシン」という苦味成分が含まれることがあり、これを過剰に摂取すると下痢や嘔吐、激しい腹痛などの中毒症状を引き起こす恐れがあります。
調理前に端を少し切り、強い苦味を感じる場合は絶対に与えないでください。
ズッキーニはカリウムを多く含むため、腎臓機能が低下している猫や腎不全を患っている猫には与えないでください。
カリウムをうまく排出できず、高カリウム血症を引き起こし、心不全などのリスクを高める可能性があります。
初めて与える際は、ごく少量から開始してアレルギー反応が出ないか確認してください。
食後に体を痒がったり、下痢や目の充血が見られたりする場合は、直ちに与えるのを中止し、動物病院へ相談しましょう。

猫の消化能力に合わせ、安全に食べられるよう工夫して調理することが大切です。以下のステップを参考にしてください。
生のままでは消化に負担がかかるため、必ず加熱してから与えてください。
蒸す、あるいは茹でることで組織が柔らかくなり、消化吸収がスムーズになります。焼く場合は油を使わずに調理しましょう。
人間用の味付けは猫にとって塩分過多であり、添加物も有害です。
塩、胡椒、バター、醤油などは一切使用せず、ズッキーニ本来の味のみで調理したものを与えるように徹底してください。
猫は食べ物を丸呑みする傾向があるため、大きな塊は喉に詰まらせる危険があります。
5mm角程度の小さめのみじん切りにするか、さらに消化を良くしたい場合はペースト状に潰してから与えるのが理想的です。

猫に与えるズッキーニの量は、1日の必要カロリーの10%以内にとどめるのが基本です。
体重4kg程度の成猫であれば、1日あたり15g〜20g程度(輪切り1〜2枚分)が目安となります。
ズッキーニは100gあたり約16kcalと非常に低カロリーですが、与えすぎは主食の栄養バランスを崩す原因となります。あくまでトッピングやおやつとしての範囲を守り、愛猫の体調や便の状態を見ながら調整してください。

ズッキーニは、水分補給や尿路疾患の予防に役立つ優れた食材です。
しかし、ククルビタシンによる中毒や腎疾患への影響など、守るべき注意点も存在します。適切な調理法と分量を守り、安全に愛猫の食事に取り入れていきましょう。