
猫にピスタチオは与えてはいけない食品です。たとえ少量であっても、猫の健康を損なうリスクがあるため、意図的に食べさせるのは避けましょう。
ピスタチオがNGとされる最大の理由は、猫の消化器官がナッツ類の豊富な食物繊維を分解するのに適しておらず、脂質によるカロリーの過剰摂取も招きやすいためです。
また、味付けによる塩分過多や、硬い殻による内臓の損傷、輸入品のカビによる汚染など、猫の小さな体には負担が大きすぎる要素が複数含まれています。

人間にとっては栄養豊富なピスタチオですが、猫の生理機能には合わない性質が多く含まれています。ここでは、猫に与えることで生じる具体的なリスクを解説します。
猫は肉食動物であり、炭水化物の多いナッツ類を効率よく消化することが苦手な体のつくりをしています。
ピスタチオを食べると胃腸に過度な負担がかかり、下痢や嘔吐といった消化器症状を引き起こす可能性が非常に高いです。
ピスタチオは「ナッツの女王」と呼ばれるほど栄養価が高い一方で、非常に高カロリーかつ高脂質な食材です。
体の小さな猫が日常的に摂取すると、容易にカロリーオーバーとなり、肥満やそれに伴う関節疾患、糖尿病などの病気のリスクを高めてしまいます。
人間用のピスタチオアイスやクッキーには、大量の砂糖や塩分、香料などの添加物が含まれています。
特に、猫にとって中毒症状を引き起こす可能性のあるチョコレートが混ざっている製品は、命に関わるため一切与えてはいけません。
ピスタチオにはマグネシウムやリンなどのミネラルが含まれています。これらは適切な量であれば必要ですが、過剰に摂取すると尿路結石の原因となります。
特に下部尿路疾患を抱えやすい猫にとって、ミネラルバランスの乱れは腎臓や膀胱への負担を増大させ、深刻な病気を招く恐れがあります。
ピスタチオの殻は非常に硬く鋭利です。猫が誤って飲み込んでしまうと、口内や食道、胃腸の粘膜を物理的に傷つける危険があります。
最悪の場合、消化管に詰まって腸閉塞(ちょうへいそく)を起こし、緊急手術が必要になるケースもあるため、殻の放置も厳禁です。
猫も人間と同様に、特定の食物に対してアレルギー反応を起こすことがあります。ピスタチオに含まれるタンパク質が原因で、皮膚の痒みや赤みが出ることがあります。
重症化すると呼吸困難などのアナフィラキシーショックを起こす可能性も否定できないため、未知の食材を与えるリスクは避けるべきです。

ピスタチオに含まれる成分が、猫の体にどのような影響を及ぼすのかを詳しく見ていきましょう。
ピスタチオの約半分は脂質で構成されています。猫にとって脂質は、エネルギー源や皮膚・被毛の健康維持に役立つ栄養素ですが、カロリーの過剰摂取によって肥満を招く恐れがあります。
カリウムは体内の水分バランスを整える働きがありますが、腎機能が低下している猫が摂取すると、高カリウム血症を引き起こし、心臓に悪影響を与えることがあります。
ピスタチオには不溶性食物繊維が含まれています。しかし、猫の短い腸ではこれらをうまく処理できず、便秘やひどい下痢を招く原因物質となってしまいます。
ビタミンB6やビタミンEが含まれています。これらは猫の健康維持にも必要ですが、ピスタチオから摂取する必要はなく、総合栄養食のキャットフードで十分補えます。

もし愛猫が誤ってピスタチオを口にしてしまった場合、飼い主は冷静に対応する必要があります。状況に応じた判断基準を解説します。
もし実の欠片などの少量を食べてしまった直後で、特に変わった様子がなければ、まずは落ち着いて24時間から48時間は猫の状態を観察してください。
その間、新しい食事を与えるのは控え、排便の状態や吐き気がないかを確認することが重要です。
食後、何度も吐く、激しい下痢をする、ぐったりして元気がない、お腹を触られるのを嫌がるといった様子は、消化不良や重症化のサインです。
また、顔周りをしきりに痒がったり、目の周りや耳が赤くなったりするアレルギー反応が出ていないかも注意深くチェックしましょう。
硬い殻を丸ごと飲み込んだ可能性がある場合や、激しい嘔吐・下痢が続く場合は、早急に動物病院を受診してください。
受診の際は「いつ」「どのくらいの量を」「加工品か実だけか」を正確に伝え、食べてしまった実や製品のパッケージを持参すると診断の助けになります。

ピスタチオは猫にとって消化しにくく、肥満や結石、消化管の損傷など多くのリスクを伴う食品です。
愛猫の健康を第一に考えるなら、人間のおやつを共有するのではなく、猫専用の安全なおやつを選ぶように徹底しましょう。
万が一、誤食によって異変を感じた際には、自己判断で様子を見すぎず、速やかに獣医師に相談することが大切です。