猫に人間用の鰹節を与えるのはNG

鰹節の匂いを嗅いでいる猫

人間用の鰹節は猫に与えてはいけない食品です。

一方で、猫用の鰹節であれば問題ありません。なぜなら、人間用と猫用では含まれる成分の「濃度」が根本的に異なるからです。

人間にとっては風味豊かな出汁の材料であっても、体の小さな猫にとっては、特定の成分が過剰になりやすく、健康を損なうリスクが非常に高いことを理解しておく必要があります。

猫に人間用の鰹節を与えてはいけない理由

悲しげな表情で布団に潜り込んでいる猫

人間用の鰹節が猫の体に適さないのには、複数の明確な理由があります。愛猫の健康を守るために、どのようなリスクが潜んでいるのかを具体的に確認していきましょう。

ミネラルの過剰摂取

人間用の鰹節には、マグネシウムやリンといったミネラル成分が凝縮されています。

これらを猫が過剰に摂取し続けると、尿のpHバランスが崩れ、尿路結石症を引き起こす直接的な原因となります。

塩分の過剰摂取

製造過程で塩が添加されていなくても、魚本来の塩分が人間用の鰹節には多く含まれています。

健康な猫は塩分を腎臓から尿とともに排出できますが、腎機能が低下している場合は過剰な塩分が腎臓に大きな負担をかけ、腎不全につながるリスクを高めます。

アレルギーのリスク

鰹節には魚のタンパク質が含まれており、これをアレルゲンとして食物アレルギーを引き起こす可能性があります。

口にした際に、皮膚の激しい痒みや下痢、嘔吐といった症状が出る恐れがあるため注意が必要です。

不飽和脂肪酸の過剰摂取

鰹節を継続的に過剰摂取すると、含まれる脂質(不飽和脂肪酸)が体内で酸化し、「黄色脂肪症(イエローファット)」を招くことがあります。

これはお腹や背中の脂肪が変性して炎症を起こす病気で、猫に痛みやしこりを生じさせます。

人間用の鰹節に含まれる成分

ざるに盛られた鰹節

人間にとって有益な栄養素であっても、猫にとっては不要、あるいは過剰摂取による害を及ぼす成分がいくつか存在します。主な成分の特徴を解説します。

タンパク質

鰹節の主成分であるタンパク質は、人間には欠かせない栄養源です。

しかし、総合栄養食で十分な栄養を得ている猫にとって、鰹節での追加摂取はカロリー過多や、代謝を担う内臓への過度な負荷に繋がります。

イノシン酸

旨味成分であるイノシン酸は、人間には細胞活性化などのメリットがありますが、猫にとっては嗜好性が強すぎるという側面があります。

食が細くなった猫にとっては旨味成分が食欲アップにつながることもありますが、食欲が十分にある猫の場合は、「鰹節(おやつ)ばかり食べる」「鰹節がないと主食(総合栄養食)を食べない」という偏食を招くことも少なくありません。

マグネシウム・リン・カルシウム

これらは骨や歯を作る重要なミネラルですが、人間用の含有量は猫の許容量を大きく上回ります。

特に腎機能が未発達な子猫や、加齢で機能が低下したシニア猫にとっては、有害なレベルの蓄積を招きやすい成分です。

人間用の鰹節を誤食した場合の対処法

診察台の上で獣医師と飼い主になでられている猫

もしも猫が人間用の鰹節を誤って食べてしまった場合、飼い主は冷静に対応する必要があります。摂取量やその後の体調変化に応じて、以下の手順で状況を判断してください。

少量を食べた場合は様子を見る

数片程度の少量を一度だけ食べてしまったのであれば、即座に命に関わることは稀です。

まずは慌てずに、その後24時間から48時間は食事の進み具合や、排泄物の状態に変化がないかを慎重に観察しましょう。

注意すべき症状

誤食後に「何度も激しく吐く」「下痢が続く」「顔や体を執拗に痒がる」「普段より異常に水を飲む」といった様子が見られた場合は注意が必要です。

これらはアレルギーや内臓への過負荷による不調のサインです。

すぐに動物病院を受診すべきケース

大量に食べてしまった場合や、ぐったりとして元気がない、排尿が見られないといった異常がある場合は、直ちに獣医師の診察を受けてください。

受診時は「いつ、どの程度の量」を食べたか正確に伝えることが重要です。

与えるなら猫用の鰹節がおすすめ

鰹節を食べようとしている猫のアップ

猫に鰹節の香りや味を楽しませてあげたいときは、必ず「猫専用」として市販されている製品を選びましょう。

猫用は製造工程で塩分を極限まで抑え、ミネラルバランスを調整しているため安心して与えられます。

いなばペットフード CIAO 食塩無添加 かつお節

この商品は、製造工程で食塩を一切使用せずに仕上げているのが最大の特徴です。

カツオ本来の豊かな香りが際立っており、食欲が落ちたときのトッピングや、ご褒美のおやつとして非常に高い人気を誇っています。

by Amazon はごろも 猫用 減塩かつおけずりぶし

大手メーカーのはごろもフーズが製造するこの製品は、塩分含有量の低いかつおを使って、塩分を大幅にカットしています。

薄く丁寧に削られているため、口当たりが柔らかく、噛む力が弱い猫でも喉に詰まらせることなく安全に食べられます。

秋元水産 猫用おやつ 猫ちゃんの減塩ふりかけ

国産の厳選されたカツオを使用し、塩分を控えめに調整したふりかけタイプの鰹節です。

ドライフードとの馴染みが良く、ミックスされた小魚が日々の食事のアクセントにもなるため、偏食気味な猫の食欲増進にも手軽に活用できます。

まとめ

鰹節と削り器が並べて置かれている光景

人間用の鰹節は、猫にとってマグネシウムやリン、塩分などのミネラルが多すぎるため、健康を損なうリスクがある食品です。

良かれと思って与えた一口が、尿路結石や腎不全といった深刻な病気を引き起こすきっかけになることも少なくありません。

愛猫に鰹節を味わわせてあげたいのであれば、必ず猫の体に配慮された専用製品を選ぶことが大切です。正しい知識に基づいた選択をすることが、愛猫と健やかで幸せな毎日を過ごすための鍵となります。