
猫にアボカドを与えるのは絶対にNGです。アボカドには猫の体に悪影響を及ぼす成分が含まれており、摂取することで中毒症状を引き起こしたり、重篤なアレルギー反応を示したりするリスクがあります。
健康に良さそうなイメージのあるアボカドですが、猫にとっては命に関わる可能性がある危険な食べ物であることを飼い主は強く認識しておく必要があります。
以下に、猫がアボカドを食べてはいけない具体的な理由を解説します。
アボカドの葉、種子、果肉、皮には「ペルシン」という殺菌作用のある成分が含まれています。このペルシンは、人間にとっては無害ですが、猫を含む多くの動物にとっては毒性を持つ成分です。
猫がペルシンを摂取すると、消化器系への刺激や組織の壊死を引き起こす可能性があり、非常に危険です。特にアボカドの種類によってはペルシンの含有量が多く、注意が必要です。
アボカドは、天然ゴム(ラテックス)に含まれるタンパク質と構造が似ている成分を持っています。これにより、ラテックスアレルギーを持つ猫がアボカドを食べると、強いアレルギー反応を起こす可能性があります。
これをラテックス・フルーツ症候群と呼び、皮膚の痒みや腫れ、ひどい場合には呼吸困難などのアナフィラキシーショックを引き起こす恐れがあるため、安易に与えてはいけません。

猫がアボカドを誤食してしまった場合、体調に異変が生じます。中毒症状は食べてすぐに出ることもあれば、数時間経過してから現れることもあります。
中毒症状として最も多く見られるのが嘔吐です。
胃腸がペルシンなどの刺激に反応し、食べたものを何度も吐き戻してしまいます。何度も続く場合は脱水の危険も伴います。
消化器官が炎症を起こすことで、便が軟らかくなったり、激しい下痢を起こしたりします。
腹痛を伴うことも多く、猫がじっとうずくまって動かなくなる様子が見られることもあります。
重症化すると、心臓の筋肉にダメージが及んだり、肺や心臓の周囲に液体が溜まるリスクがあるとされています。
これにより呼吸が浅くなったり、苦しそうに口を開けて呼吸する状態に陥る可能性があります。
極めてまれですが、毒素が神経系に影響を及ぼすと、全身が震えたり、意識が混濁してけいれんを起こしたりします。
この状態は非常に危険であり、一刻を争う救急処置が必要となるサインです。

猫がアボカドをどのくらい食べたら中毒になるのか、明確な量の目安の情報はありません。これは、個体ごとの体重、年齢、体質、そしてアボカドの品種によって毒性の強さが異なるためです。
ほんの少し舐めただけで症状が出る猫もいれば、少量では変化がない猫もいますが、「これくらいなら大丈夫」という安全なラインは存在しないと考えておくべきです。
そのため、一口であっても誤食を確認した場合は、症状の有無にかかわらず楽観視せずに専門家のアドバイスを受けることが推奨されます。

万が一、猫がアボカドを食べてしまった場合は、迅速かつ適切な対応が求められます。日頃からの予防意識と、緊急時の行動手順を確認しておきましょう。
自宅で飼い主ができる最も重要なことは、猫を無理に吐かせようとしないことです。自己判断で処置を行うと、食道を傷つけたり症状を悪化させたりする二次被害の恐れがあります。
予防法としては、アボカドを猫の手の届く場所に置かないことはもちろん、調理中のゴミ箱もしっかりと蓋ができるタイプを使用し、完全に隔離することが基本です。
誤食に気づいたら、なるべく早く動物病院を受診してください。その際、「いつ」「どの部分を」「どのくらいの量」食べたかを正確に伝えることが重要です。
病院では、必要に応じて催吐処置(吐かせる処置)や胃洗浄、点滴による毒素の排出、あるいは症状を緩和するための対症療法が行われ、猫の体への負担を最小限に抑えます。

アボカドは猫にとって、ペルシンによる中毒やアレルギーを引き起こす非常に危険な食材です。「健康に良さそうだから」という人間の感覚で与えてしまうことは、絶対にしてはいけません。
明確な致死量や安全な摂取量は定義されていないため、一切与えないことが唯一の安全策です。日頃から猫の食事管理を徹底し、もしもの時は迷わず獣医師に相談しましょう。