犬にしじみを与えても大丈夫?

食器の前に座って首を傾げている犬

十分に加熱したしじみの身は、少量なら犬に与えても問題ありません

しじみには犬の健康をサポートする栄養素が凝縮されていますが、あくまで主食ではなく「たまのトッピング」として活用しましょう。

出汁やスープにして与える場合も、量と頻度を適切に管理することが健康維持のポイントです。なお、人間用のしじみのお味噌汁は、塩分が強すぎたり犬に有害な食材が含まれたりしているため、必ず犬専用に調理したものを用意してください。

しじみに含まれる栄養素と犬への影響

ざるの上に盛られたしじみ

しじみには犬の活力を支える成分が豊富に含まれています。ここでは代表的な栄養素が、犬の体にどのような良い影響を与えるのか、注意点と併せて解説します。

オルニチンによる肝臓の健康維持サポート

しじみの代名詞ともいえるオルニチンは、アミノ酸の一種です。体内のアンモニアを解毒するサイクルを助ける働きがあり、肝臓の健康維持をサポートする効果が期待できる可能性があります。

ただし、これらはあくまで日々の健康を整えるための補助的な役割です。すでに肝臓の疾患で治療を受けている場合は、自己判断で与えずに必ず獣医師へ相談するようにしてください。

タウリンによる視力と心臓の健康維持

タウリンは、目の網膜の健康や、力強い心臓の動きを支えるために大切な栄養素です。そのため、特にシニア期の犬の目や心臓の健康管理に役立つ場合があります。

食事から天然のタウリンを摂取することは、愛犬の生き生きとした毎日を支える一助となります。過剰摂取には注意が必要ですが、適量であれば優れた栄養源となります。

鉄分とビタミンB12による血液の健康

しじみは鉄分やビタミンB12を豊富に含んでおり、これらは血液中の赤血球を作るために不可欠な成分です。貧血によるふらつきの予防や、活動的な体づくりをサポートします。

鉄分は重要な栄養素ですが、一度に過剰に摂取すると内臓への負担になる可能性があります。サプリメントなど他の食事とのバランスを考えながら、適切な範囲で取り入れましょう。

犬に与えてもいいしじみの量

飼い主が差し出す食器からフードを食べようとしている犬

犬にしじみを与える際は、体の大きさに合わせた適量を守ることが何より大切です。

しじみの身を与える場合の目安は、チワワなどの超小型犬で1粒から2粒、柴犬などの中型犬で3粒から5粒、レトリーバーなどの大型犬でも10粒以内にとどめましょう。

子犬やシニア犬については、より慎重な判断が必要です。

消化機能が未発達な子犬や、消化力が低下しているシニア犬には、身そのものよりも「出汁(茹で汁)」を少量与えることから始めるのが安心です。身を与える場合は、喉に詰まらせないよう細かく刻んでください。

どのような年齢や犬種であっても、初めてしじみを与えるときは、目安量よりもさらに少ない「ごく少量」から試すのが鉄則です。食べた直後だけでなく、翌日の便の硬さ、食欲、飲水量に変化がないかをしっかりと観察し、問題がなければ少しずつ量を調整していきましょう。

「健康維持のために毎日与えたい」というニーズもありますが、その場合は1回あたりの量をさらに控えめに設定してください。しじみはミネラルが豊富であるため、過剰摂取にならないよう、愛犬の体調や排泄物の様子を見ながら「たまの栄養補給」として取り入れるのが基本です。

なお、しじみの「身」と「出汁・スープ」では、与える量の考え方が異なります。身は栄養や成分が凝縮されているため厳格な制限が必要ですが、味付けをしていない出汁やスープであれば、水分補給を兼ねて身よりも多めに与えることができます。

ただし、スープであっても飲み過ぎは下痢の原因になるため、いつもの食事に大さじ数杯を加える程度から始めましょう。

しじみを使った犬用簡単レシピ!出汁・スープ・お粥の作り方

お皿とカトラリーが並ぶテーブルに着席している犬

愛犬にしじみを与える際は、味付けを一切しないことが前提です。砂抜きをしっかり行い、真水で殻をこすり洗いしてから、十分に加熱調理する基本の工程を大切にしましょう。

しじみ出汁の作り方(茹で汁)

作り方は、砂抜きしたしじみを水から煮て、沸騰後にアクを取り除きながら数分間しっかり茹でるだけです。殻を取り出し、残った茹で汁が栄養たっぷりの「しじみ出汁」になります。

与える量の目安は、いつものごはんに大さじ1杯から3杯程度を振りかけます。ドライフードの香りが立ち、食いつきを良くする効果も期待できる万能なトッピングです。

しじみスープの作り方

しじみ出汁に、細かく刻んだ人参やキャベツなど、犬が食べられる野菜を加えて柔らかくなるまで煮込みます。野菜のビタミンもしっかり摂れる、栄養バランスに優れた一品です。

与える際は必ず人肌程度に冷ましてください。小型犬ならカップ4分の1程度が目安です。スープにすることで、あまり水を飲まない犬の水分補給としても非常に役立ちます。

しじみのお粥の作り方

しじみの茹で汁を使って、少量の白米をクタクタになるまで炊き上げます。仕上げに、細かく刻んだしじみの身を少量だけ混ぜ込めば、消化に優しいお粥の完成です。

一食のドッグフードの1割から2割程度を、このお粥に置き換えて与えてください。食欲が落ちている時や、お腹を温めてあげたい時のスペシャルメニューとしておすすめです。

犬にしじみを与える際の注意点

茹でて加熱調理されているしじみ

健康に良いしじみですが、与え方を誤ると愛犬の負担になってしまいます。以下のポイントを確認し、安全に食べられるよう配慮しましょう。

生食や加熱不足の危険性

生の貝類には、ビタミンB1を分解してしまう「チアミナーゼ」という酵素が含まれています。これを日常的に生で大量摂取すると、ビタミンB1欠乏症を引き起こし、ふらつきなどの症状が出る恐れがあります。

加熱することでこの酵素は働かなくなるため、必ず芯まで火を通してください。また、加熱不足は食中毒や寄生虫のリスクも伴うため、沸騰したお湯でしっかり茹でることが必須です。

人間用の加工品や味付けの流用

人間用のしじみのお味噌汁や、コンビニで売られているスープを薄めて与えるのは絶対にやめましょう。人間にとって丁度良い味付けでも、犬にとっては塩分過多で腎臓に大きな負担をかけます。

また、市販のしじみ加工品には、犬に害を及ぼす添加物や、隠し味にネギ類のエキスが入っていることもあります。必ず「犬専用」か「素材のみ」のものを選んでください。

殻の誤飲と不十分な砂抜き

しじみの殻は非常に鋭利で硬いため、誤って飲み込むと喉や消化管を傷つける危険があります。調理が終わったら、必ず殻が混入していないか指先で触って確認しましょう。

砂抜きが不十分だと、ジャリジャリとした砂を食べてしまい、消化不良や不快感の原因になります。犬は違和感に敏感なため、丁寧な砂抜きは食いつきを維持するためにも欠かせません。

持病がある犬への配慮とアレルギー

腎臓病や尿路結石の既往歴がある犬の場合、しじみに含まれるミネラル(リンやマグネシウム)が症状に影響を与える可能性があります。持病がある場合は必ず事前に獣医師の許可を得てください。

また、初めてしじみを食べた後に、体を痒がったり下痢をしたりする場合は、貝類アレルギーの可能性があります。異変を感じたらすぐに給与を中止し、動物病院を受診しましょう。

市販されているおすすめのしじみ製品・サプリ

食器からフードを食べている犬

手作りする時間がない時や、より効率的に栄養を届けたい時は、市販の製品が便利です。

「余計な味付けがない」「犬が食べやすい形状」「使い方が明確」という基準で選んだ3点をご紹介します。

帝塚山ハウンドカム「肝パワー元気(犬猫用)」

しじみエキスを主成分とした、粉末タイプのサプリメントです。保存料や着色料を使用せず、天然由来の成分で肝臓の健康維持をサポートできるよう設計されています。

いつものドッグフードにパラパラと振りかけるだけなので、毎日手軽に続けられます。栄養が凝縮されているため、効率よくしじみの恩恵を受けさせたい飼い主さんに最適です。

WANBANA「国産しじみ汁と馬肉のスープジュレ(しじみスープキューブ)」

国産しじみの出汁に、低カロリーで高タンパクな馬肉を合わせたスープジュレです。キューブ状になっており、解凍するだけで簡単に豪華なトッピングが完成します。

水分含有量が高いため、ドライフードだけでは不足しがちな水分を美味しく補給できるのが魅力です。食にこだわりがあるグルメな愛犬や、シニア犬の水分補給にも重宝します。

プランシュール「しじみエキス(犬猫用)」

しじみから抽出されたエキスを、与えやすい形に整えたサプリメントです。余計な混ぜ物を極力排除し、しじみ本来の栄養素をストレートに摂取できるよう工夫されています。

粉末状になっており、いつものドッグフードにそのまま混ぜて与えられます。普段の食事の栄養価を底上げしたいときや、健康診断の結果を意識し始めた時期のケアに向いています。

まとめ

水を張った桶に入れられたしじみ

しじみは、十分に加熱して適切な量を守れば、犬の肝臓や目の健康維持を助ける心強い食材になります。ただし、人間用の味付けは避け、殻の混入や砂抜きには細心の注意を払いましょう。

初めて与える際はごく少量から試し、体調に変化がないかを確認することが基本です。手作りが難しい場合は、信頼できる犬専用のサプリメントやスープを上手に活用してください。

愛犬の年齢や体調に合わせてしじみを取り入れ、美味しく健康な食生活をサポートしてあげましょう。