イタリアングレーハウンドは前脚の骨折やてんかんなどに注意

外固定をして床に伏せているイタリアングレーハウンド

イタリアングレーハウンドは、特に前脚の骨折に注意したい犬種です。活発で走ることやジャンプを好む一方、細く長い四肢を持つため、高い場所からの飛び降りや転倒などによるケガに注意が必要です。

アニコムの「家庭どうぶつ白書2025」によると、イタリアングレーハウンドの前肢骨折の保険請求割合は2.7%で、犬全体の0.3%を大きく上回っています。

また、てんかんは3.8%(犬全体1.3%)、歯周病・歯肉炎は6.4%(犬全体3.8%)と、いずれも犬全体より高い割合が報告されています。

これらは2023年度の保険契約データを基に、0〜12歳のイタリアングレーハウンド4,971頭を対象として集計された数値です。生涯に病気を発症する確率ではなく、保険請求があった割合を示しています。

さらに、進行性網膜萎縮症や緑内障に関連する遺伝的リスクも確認されています。骨折などの事故防止に加えて、日頃から歩き方や口の中、目の状態などを観察し、異常を早期に発見することが大切です。

イタリアングレーハウンドの主な病気・ケガ

原っぱを歩くイタリアングレーハウンド

イタリアングレーハウンドで注意したい病気やケガには、骨折、歯周病・歯肉炎、てんかん、脱毛症、膝蓋骨脱臼などがあります。

ただし、すべての病気で犬全体より発症リスクが高いと確認されているわけではありません。犬種との関連が報告されている病気と、犬一般にも起こる病気を区別して理解することが大切です。

このほか、免疫介在性血小板減少症(IMTP)にも注意が必要です。免疫機能の異常によって、血液を固める働きを持つ血小板が破壊される病気で、皮膚の点状出血や鼻血、血尿などが現れることがあります。

アニコムの統計でも、犬全体より高い保険請求割合が報告されています。診断には血液検査や原因疾患の調査が必要で、治療では免疫の働きを抑える薬などが使用されます。重度の出血は命に関わるため、異常な出血を発見した場合は速やかな受診が必要です。

骨折

イタリアングレーハウンドで特に注意したいケガが骨折です。なかでも前脚の橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)は、骨折が起こり得る部位です。

橈骨と尺骨は、前脚の肘から手首にかけて並んでいる2本の骨です。ソファやベッドから飛び降りたときの着地失敗、走行中の転倒、ほかの犬との衝突などが骨折の原因になることがあります。

骨折すると、突然キャンと鳴く、片脚を地面につけなくなる、脚が腫れる、触れると痛がるといった症状が見られます。ただし、骨折の場所や程度によっては、多少体重をかけて歩ける場合もあります。

診断では、触診やレントゲン検査によって骨折の場所、骨のずれ、周囲の組織の状態などを確認します。

治療方法は骨折の状態によって異なり、副木などによる固定や、プレートとスクリューを使って骨を固定する手術などが検討されます。痛みの管理と安静も重要です。

手術後も、レントゲン検査で骨の癒合を確認しながら運動制限を続ける必要があります。ただし、イタリアングレーハウンドは脚が細いから骨密度が低い、骨折が治りにくいと一律に断定できるわけではありません。

骨折が疑われる場合は、無理に歩かせたり脚を動かしたりせず、できるだけ動きを制限して速やかに動物病院を受診しましょう。

歯周病・歯肉炎

歯肉炎は、歯と歯ぐきの境目に付着した歯垢(プラーク)などによって、歯ぐきに炎症が起こる病気です。歯周病は、炎症が進行して歯を支える組織や骨にまで影響が及んだ状態(歯周炎)を含みます。

主な症状は、口臭、歯ぐきの赤みや腫れ、出血、歯石の付着などです。進行すると歯がぐらついたり、食べるときに痛がったりすることがあります。

歯周病が重症化すると、歯を支える骨が失われ、抜歯が必要になる場合もあります。また、歯の根元に感染が起こり、膿がたまる歯根膿瘍を引き起こすこともあります。

診断では口腔内の観察に加えて、必要に応じて全身麻酔下で歯周ポケットの検査や歯科用レントゲン検査を行います。

治療では、歯石や歯垢の除去、歯周ポケットの清掃などを行い、重度の場合は抜歯が必要です。日頃の歯磨きは予防に役立ちますが、すでに形成された歯石を歯磨きだけで除去することはできません。

なお、イタリアングレーハウンドには、歯のエナメル質が正常に形成されない家族性エナメル質形成不全(FEH)という遺伝性疾患も確認されています。歯が小さく尖ったり、表面が変色したりすることがありますが、歯周病とは異なる病気です。

てんかん

てんかんは、脳の神経細胞の異常な電気活動によって、発作を繰り返す病気です。イタリアングレーハウンドでは、犬全体と比較して、てんかんの保険請求割合が高いことが報告されています。

発作の主な症状は、突然倒れて全身を硬直させる、四肢を突っ張ってけいれんする、よだれが増える、意識がなくなるなどです。

一方、顔や手足の一部だけが動く、口をくちゃくちゃさせるなど、体の一部分に症状が現れる焦点発作もあります。

発作が治まった直後には、ふらつき、落ち着きのなさ、一時的な見えにくさなどが現れることもあります。

ただし、けいれんの原因はてんかんだけではありません。低血糖、中毒、脳の炎症や腫瘍などでも発作が起こるため、血液検査や神経学的検査を行い、必要に応じてMRI検査などで原因を調べます。

治療では、発作の頻度や重症度に応じて抗てんかん薬を使用します。薬によって発作を完全になくせない場合もありますが、発作の回数や程度を減らすことで生活の質を維持することを目指します。

発作が起きた際は、周囲の危険物を取り除き、発作の時間を確認しましょう。口の中に手や物を入れたり、無理に体を押さえつけたりしてはいけません。

脱毛症・皮膚炎

イタリアングレーハウンドでは、パターン脱毛症やカラー・ダイリューション脱毛症(CDA)などが報告されています。

パターン脱毛症は、特定の部位で徐々に毛が薄くなる脱毛症です。耳の外側や胸、お腹、太ももなどに症状が現れることがあり、かゆみや炎症を伴わない場合が多いとされています。

カラー・ダイリューション脱毛症は、ブルーやフォーンなどの淡い毛色に関連して起こる遺伝性の脱毛症です。毛がもろくなって切れたり、胴体を中心に毛が薄くなったりします。

この病気では、皮膚にフケや細菌感染を伴う場合もあります。ただし、淡い毛色のイタリアングレーハウンドが必ず発症するとは断定できません。

一方、皮膚炎はアレルギー、細菌や真菌の感染、寄生虫など、さまざまな原因で起こります。赤み、かゆみ、湿疹、フケ、脱毛などが主な症状です。

診断では皮膚の状態を確認し、必要に応じて皮膚掻爬(そうは)検査や細胞診、毛の顕微鏡検査などを行います。治療は原因によって異なり、感染症には適切な薬を使用し、遺伝性脱毛症では皮膚の状態を保つためのケアを中心に行います。

アニコムの統計では、原因未定の脱毛の保険請求割合が1.2%で、犬全体の0.5%を上回っています。ただし、この数値はパターン脱毛症やCDAそれぞれの発症割合を示すものではありません。

通常の抜け毛と異なり、局所的に地肌が見える、毛が抜けた部分が広がる、赤みやかゆみを伴う場合は、動物病院で原因を確認しましょう。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は、膝のお皿にあたる膝蓋骨が、正常な位置から内側または外側にずれる病気です。イタリアングレーハウンドは犬全体より発症頻度が高いとまでは断定できませんが、小型犬でよく見られる整形外科疾患です。

主な症状は、後ろ脚を一時的に持ち上げる、スキップするように歩く、片脚を伸ばしてから再び普通に歩き始めるなどです。

軽度の場合は症状がほとんど見られないこともありますが、進行すると歩行時の痛みや関節の変形、変形性関節症につながる場合があります。

診断では、獣医師が膝を触って膝蓋骨のずれやすさを調べ、必要に応じてレントゲン検査などで骨や関節の状態を確認します。

治療は重症度や症状によって異なります。軽度で症状が少ない場合は経過観察や体重管理などを行い、痛みや歩行障害が続く場合には、膝蓋骨を正常な位置に戻す手術が検討されます。

イタリアングレーハウンドで注意したい目の病気

後ろを振り向くイタリアングレーハウンドのアップ

イタリアングレーハウンドでは、進行性網膜萎縮症(PRA)や原発閉塞隅角緑内障(PCAG)に関連する遺伝的リスクが確認されています。

一方、白内障はイタリアングレーハウンドで特に発症頻度が高いと確認されているわけではありませんが、犬全般で注意したい眼疾患です。

目の病気は初期症状がわかりにくい場合もあるため、物にぶつかる、暗い場所で動きにくそうにする、目を痛がるなどの変化を見逃さないことが大切です。

進行性網膜萎縮症

進行性網膜萎縮症(PRA)は、目の奥にある網膜の細胞が徐々に変性し、視力が低下する遺伝性疾患です。

網膜は、目に入った光を電気信号に変えて、脳に伝える役割を持っています。この働きが失われることで、暗い場所での見えにくさから始まり、進行すると明るい場所でも視力が低下します。

主な症状は、夕方や夜間に歩くことを嫌がる、暗い部屋で家具にぶつかる、階段を怖がるなどです。進行すると失明に至る場合がありますが、通常は痛みを伴いません。

診断では眼底検査によって網膜の状態を確認し、必要に応じて網膜電図検査(ERG)で網膜の電気的な反応を調べます。遺伝子検査もリスク評価に利用できます。

現在、一般的なPRAに対して、失われた視力を回復させる確立された治療法はありません。そのため、家具の配置を大きく変えない、段差に注意するなど、視力低下に合わせた生活環境の調整が重要です。

緑内障

緑内障は、眼圧の上昇などによって視神経や網膜に障害が起こり、視力が低下する病気です。

イタリアングレーハウンドでは、目の中の房水という液体が排出されにくくなる原発閉塞隅角緑内障(PCAG)に関連する遺伝的リスクが確認されています。

房水の流れが妨げられて眼圧が急激に上がると、強い痛みや視力障害が起こることがあります。

主な症状は、目の充血、角膜が白っぽく濁る、目を細める、涙が増える、瞳孔が大きくなったままになるなどです。元気がなくなったり、目の周囲を触られることを嫌がったりする場合もあります。

診断では眼圧測定を行い、必要に応じて隅角検査などで房水の排出経路を調べます。

治療では眼圧を下げる点眼薬や内服薬などを使用し、状態によっては手術が必要になります。視力を失った目でも痛みが続く場合には、痛みを取り除くための外科的治療が検討されます。

急性緑内障では、短時間で視力に重大な障害が生じることがあります。突然目が赤くなる、強く痛がる、急に目が見えなくなったような行動をする場合は、すぐに動物病院を受診してください。

白内障

白内障は、目の中でレンズの役割を持つ水晶体が白く濁る病気です。濁りが進行すると光が網膜に届きにくくなり、視力が低下します。

原因には加齢、遺伝的要因、糖尿病、外傷、目の炎症などがあります。犬種を問わず発症する可能性があり、イタリアングレーハウンドだけに特有の病気ではありません。

主な症状は、目の中心が白く見える、物にぶつかる、段差を避ける、動きが慎重になるなどです。

ただし、高齢犬では核硬化症という、水晶体が青白く見える加齢性の変化も起こります。核硬化症は通常、白内障のような重度の視力障害を引き起こさないため、両者を区別することが重要です。

診断では眼科検査を行い、必要に応じて眼圧や網膜の状態も確認します。

視力回復を目的とする場合は、水晶体の濁った部分を取り除く手術が検討されます。手術が適さない場合は、合併する炎症や緑内障などを管理しながら経過を観察します。

症状別の受診の目安

ベッドで横になるイタリアングレーハウンド

イタリアングレーハウンドの病気やケガは、歩き方の変化、目の異常、けいれん、出血などから気づくことがあります。

特に骨折が疑われる状態、急激な視力低下、長引くけいれん、異常な出血は、早急な診察が必要になる場合があります。

症状だけで病名を決めつけず、愛犬の状態に応じて動物病院へ連絡しましょう。また、口臭や歯ぐきの出血、脱毛や皮膚の赤みが続く場合も、放置せず診察を受けることが大切です。

足をつけない・歩き方が変わる場合

突然片脚を浮かせて歩く、足を地面につけられない、強く痛がる、脚が腫れている場合は、骨折や関節の損傷などが疑われます。

特に高い場所から落ちた直後や、走行中に転倒した後に歩けなくなった場合は、速やかな受診が必要です。

骨折が疑われるときは、歩かせて様子を見ることは避けてください。可能であれば体を安定させて抱き上げ、キャリーケースなどで動きを制限しながら動物病院へ運びましょう。

また、後ろ脚を時々持ち上げる、スキップするような歩き方を繰り返す場合は、膝蓋骨脱臼などの関節疾患が考えられます。

一時的に普通の歩き方に戻っても、異常が繰り返される場合は診察を受けましょう。

目が赤い・見えにくそうな場合

目の充血、涙の増加、目を細める、前脚で目をこするなどの症状がある場合は、眼科疾患の可能性があります。

特に、突然目が赤くなった、強く痛がっている、角膜が白く濁っている、急に物にぶつかるようになった場合は、急性緑内障などの緊急性が高い病気も考えられます。

視力に関わる病気は、治療の開始が遅れることで回復が難しくなることがあります。急な眼痛や視力低下が疑われる場合は、時間帯にかかわらず速やかに動物病院へ連絡してください。

目をこすって傷つけないように注意し、自己判断で人間用の目薬や以前処方された点眼薬を使用することは避けましょう。

けいれんや異常な出血がある場合

愛犬が突然倒れてけいれんした場合は、周囲の家具や危険物から体を守り、発作が始まった時間と続いた時間を確認してください。

発作中に口へ手や物を入れたり、無理に体を押さえたりしてはいけません。可能であれば安全な距離から動画を撮影しておくと、診察時に役立ちます。

けいれんが5分以上続く場合は、てんかん重積状態と呼ばれる命に関わる緊急状態が疑われます。また、短時間に発作を繰り返す場合も緊急性が高くなります。

ただし、5分経過するまで連絡や受診を待つ必要はありません。初めての発作や長引く発作では早めに動物病院へ連絡し、指示を受けてください。

一方、皮膚や歯ぐきに小さな赤い点状出血がある、原因不明のあざが増える、鼻血が止まらない、血尿や血便が出る場合は、血小板の異常などが考えられます。

特に出血が多い、歯ぐきが白い、ぐったりしている場合は緊急性が高いため、すぐに受診してください。

病気・ケガの予防と早期発見

敷物の上に座っているイタリアングレーハウンド

イタリアングレーハウンドの健康管理では、骨折などの事故を防ぐ住環境づくりと、毎日の歯磨き、皮膚の観察、適切な運動が重要です。

また、定期的な健康診断によって病気の兆候を早期に発見し、必要に応じて遺伝子検査などを活用することで、健康上のリスクを把握できます。

すべての病気を予防できるわけではありませんが、日常的な管理と早期発見によって、重症化を防いだり適切な治療につなげたりすることができます。

骨折・ケガを防ぐ住環境づくり

イタリアングレーハウンドの骨折予防では、日常生活で高い場所から飛び降りたり、滑って転倒したりする危険を減らすことが大切です。

フローリングなどの滑りやすい床には、滑り止め効果のあるマットやカーペットを敷きましょう。犬が走り回る場所や方向転換する場所を中心に対策すると、転倒防止に役立ちます。

また、ソファやベッドからの飛び降りにも注意が必要です。犬用ステップやスロープを設置する方法がありますが、必ず使用してくれるとは限らないため、必要に応じて高所への出入り自体を制限しましょう。

室内では、障害物を減らして安全に移動できるスペースを確保します。特に子犬は活発に動き回ることがあるため、遊んでいるときの事故にも注意してください。

散歩中は、急な飛び出しやほかの犬との衝突を防ぐためにリードを使用し、周囲の状況を確認しましょう。

歯磨き・皮膚のケア

歯周病の予防には、毎日の歯磨きが重要です。歯垢は歯と歯ぐきの境目に付着しやすいため、犬用歯ブラシと歯磨き剤を使って丁寧に磨きましょう。

歯磨きを嫌がる場合は、最初から無理に口を開けず、口元に触れる練習や歯ブラシに慣れる練習から始めます。短時間でも継続することが大切です。

ただし、歯ぐきが強く腫れていたり出血していたりする場合は、歯磨きで痛みを与えることがあります。無理に磨かず、先に動物病院で口腔内の状態を確認してもらいましょう。

皮膚のケアでは、柔らかいブラシや布などを使って被毛の汚れを取り除き、赤み、フケ、脱毛、できものなどがないか確認します。

イタリアングレーハウンドは短毛で皮膚の状態を確認しやすい一方、寒さに弱い傾向があります。寒い時期は室温を調整し、必要に応じて犬用の防寒着を使用しましょう。

シャンプーは皮膚の状態や汚れに応じて行い、洗いすぎによる乾燥や刺激を避けることが大切です。かゆみや皮膚炎がある場合は、獣医師に相談して適切な洗浄剤やケア方法を選びましょう。

運動と体重管理

イタリアングレーハウンドは活発な犬種であり、適度な運動は筋肉や関節の健康維持、肥満予防に役立ちます。

ただし、運動量は年齢、体力、健康状態によって異なります。すべての個体に同じ散歩時間や運動量を設定するのではなく、歩き方や疲れ方を確認しながら調整しましょう。

特に成長期の子犬や骨折の治療後、関節に問題がある犬では、運動の内容や強度に配慮が必要です。治療中の犬は、獣医師の指示に従って活動を制限してください。

また、肥満は関節に負担をかける要因になるため、適切な体重管理も重要です。

体重だけで判断せず、肋骨を軽く触って確認できるか、上から見たときに腰のくびれがあるかなど、ボディコンディションスコア(BCS)を参考に体型を確認しましょう。

イタリアングレーハウンドはもともと細身の犬種ですが、細ければ細いほど健康というわけではありません。筋肉量や体調も考慮し、必要に応じて獣医師に適正体型を確認してもらいましょう。

健康診断・遺伝子検査

イタリアングレーハウンドの健康を維持するためには、定期的な健康診断と、犬種に関連する遺伝性疾患のリスク把握が重要です。

健康診断では、体重や体型、歯や歯ぐきの状態、皮膚、歩き方などを確認し、年齢や症状に応じて血液検査や尿検査、眼科検査などを行います。

特に歯周病は初期段階で気づきにくい場合があり、目の病気も症状が進行するまで異変が目立たないことがあります。定期的に診察を受けることで、早期発見につながります。

また、カリフォルニア大学デービス校の獣医遺伝学研究所では、イタリアングレーハウンドを対象とした進行性網膜萎縮症(PRA)、原発閉塞隅角緑内障(PCAG)、家族性エナメル質形成不全(FEH)の遺伝子検査を提供しています。

PRAやPCAGの検査は、関連する遺伝的リスクを評価するものであり、将来の発症を確実に予測したり、検査結果だけで病気の有無を診断したりするものではありません。

一方、FEHでは原因となる特定の遺伝子変異が確認されており、検査によってその変異を持つかどうかを調べられます。ただし、すべての歯科疾患のリスクを把握できるわけではありません。

子犬を迎える際には、親犬の健康診断や遺伝子検査の実施状況をブリーダーに確認するとよいでしょう。検査結果の意味や必要性については、獣医師に相談することが大切です。

病気・ケガの治療費とペット保険

飼い主に抱っこされているイタリアングレーハウンド

イタリアングレーハウンドの病気やケガの治療費は、病気の種類や重症度、必要な検査、手術の有無、入院期間などによって大きく異なります。

特に骨折では、レントゲン検査や手術、入院、術後の通院などが必要になる場合があり、治療費が高額になることがあります。

アニコムの「家庭どうぶつ白書2025」によると、イタリアングレーハウンドの前肢骨折における年間診療費の中央値は295,438円でした。対象は、前肢骨折で保険請求があった132頭です。

この金額は、対象となった犬の年間診療費を小さい順に並べたときの中央の値であり、骨折手術1回の費用や全国共通の治療費相場を示すものではありません。

実際の治療費は、骨折の場所や程度、使用する固定器具、治療後の経過などによって異なります。手術が必要になった場合は、治療内容や費用について動物病院で説明を受けましょう。

また、てんかんのように継続的な投薬や定期検査が必要になる病気では、長期的な医療費も考える必要があります。

治療費への備えとしてペット保険を検討する場合は、骨折などのケガや手術、入院、通院がどの範囲まで補償されるかを確認しましょう。

保険によっては、支払限度額や回数制限、免責金額、待機期間、加入前から存在する病気の取り扱いなどが異なります。

歯科治療や先天性・遺伝性疾患の補償条件も商品によって異なるため、契約前に重要事項説明書や約款を確認することが大切です。

ペット保険に加入していても、すべての診療費が補償されるわけではありません。補償範囲と自己負担額を把握し、必要に応じて医療費を準備しておくと安心です。

まとめ

毛布に包まっているイタリアングレーハウンド

イタリアングレーハウンドは、特に前脚の骨折に注意したい犬種です。活発に動く一方で、飛び降りや転倒などによるケガが起こることがあるため、滑りにくい床材を使用したり、高い場所から飛び降りないようにしたりする対策が重要です。

また、てんかんや歯肉炎を含む歯周病は犬全体より保険請求割合が高く、進行性網膜萎縮症や緑内障に関連する遺伝的リスクも確認されています。病気によって症状や治療方法が異なるため、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

突然脚をつけなくなる、けいれんする、目を強く痛がる、異常な出血が見られる場合は、速やかな受診が必要です。

日頃から歩き方や目、歯、皮膚の状態を観察し、適切な運動や体重管理、毎日の歯磨き、定期的な健康診断を続けることで、病気やケガの予防と早期発見につなげましょう。