ビションフリーゼは抜け毛が少ない犬種

カメラ目線で立っているビションフリーゼ

ビションフリーゼは、一般的に抜け毛が少ない犬種です。柴犬やポメラニアンなどと比べて、床や衣類に抜け毛が目立ちにくく、室内で抜け毛を掃除する負担が比較的少ないという特徴があります。

ただし、まったく毛が抜けないわけではありません。ビションフリーゼは巻き毛のダブルコートを持ち、抜けた毛が周囲の毛に絡まって被毛の内側に残りやすい性質があります。

そのため、床に落ちる毛が少なくても、被毛の中には抜け毛がたまっていることがあります。放置すると毛玉になりやすいため、定期的なブラッシングやトリミングが欠かせません。

また、抜け毛が少ないからといって、犬アレルギーが起きないわけではありません。犬のフケや唾液などにもアレルギーの原因となる物質が含まれるため、抜け毛の少なさだけでアレルギーへの安全性を判断することはできません。

ビションフリーゼの抜け毛が少ない理由と被毛の特徴

どこかを見つめるビションフリーゼの顔のアップ

ビションフリーゼの抜け毛が少なく見える理由には、密生した下毛とカールした上毛による被毛構造が関係しています。

また、ほかの犬種と同じように毛の生え変わりはありますが、春や秋に大量の毛が抜ける犬種としては知られていません。

巻き毛のダブルコート

ビションフリーゼは、上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)の2層で構成されるダブルコートの犬種です。

上毛は比較的粗く、しっかりとカールした毛で、下毛は柔らかく密生しています。この2種類の毛が組み合わさることで、ふんわりとした弾力のある被毛が形成されます。

一般的なダブルコートの犬種では、抜けた下毛が床に落ちたり、ブラッシングの際に大量に取れたりすることがあります。

一方、ビションフリーゼは抜けた毛が巻き毛や密生した下毛に引っかかり、被毛の内側に残りやすい特徴があります。

そのため、見た目には抜け毛が少なくても、毛根から抜ける毛がまったくないわけではありません。残った毛を定期的に取り除くことが、毛玉を防ぐうえで重要です。

換毛期と抜け毛の変化

ビションフリーゼにも、古い毛が抜けて新しい毛に生え変わる毛周期があります。毛周期とは、毛が成長し、成長を終えて抜け落ちるまでの一連の過程のことです。

柴犬やポメラニアンなどは春と秋の換毛期に大量の下毛が抜けることがありますが、ビションフリーゼは、このような目立った季節的換毛が一般的な特徴ではありません。

ただし、季節によって抜け毛の状態がまったく変化しないわけではありません。抜け毛の量や被毛の状態は、生活環境や健康状態などによっても変化します。

また、子犬から成犬へ成長する過程でも被毛が変化します。ビション・フリーゼ・クラブ・オブ・アメリカ(BFCA)によると、生後8か月から1歳頃には成犬の被毛へ移行する時期があり、毛が絡まりやすくなることがあります。

この時期は、抜け毛の量だけでなく、毛のもつれや毛玉の増加にも注意が必要です。毛が絡まりやすくなった場合は、ブラッシングの頻度を増やして対応しましょう。

ビションフリーゼの被毛のお手入れ方法と頻度

コームで毛をとかされているビションフリーゼ

ビションフリーゼの被毛を清潔に保つには、ブラッシング、シャンプー、トリミングを組み合わせたお手入れが必要です。

ブラッシングは抜けた毛やもつれを取り除き、シャンプーは皮膚や被毛の汚れを洗い流します。トリミングは伸びた毛を整え、被毛を管理しやすい状態に保つ役割があります。

ブラッシングの方法と頻度

ビションフリーゼのブラッシングは、少なくとも週2〜3回、できれば毎日行うことが理想的です。

アメリカン・ケネル・クラブ(AKC)でも、毎日のブラッシングを基本としながら、被毛の長さによっては週2〜3回でも管理できると説明しています。

お手入れには、細い金属製のピンが並んだスリッカーブラシと、金属製のコームを使うとよいでしょう。

まず、被毛を少しずつ分け、毛先にあるもつれを優しくほぐします。その後、皮膚を強くこすらないように注意しながら、毛の根元から毛先まで少しずつブラシを通してください。

ブラッシング後はコームを使い、毛の根元付近から毛先まで引っかからずに通るか確認します。表面だけでなく、被毛の内側までほぐれていることが大切です。

毎日ブラッシングしていても、コームが頻繁に引っかかる場合は、お手入れが十分ではない可能性があります。毛の長さや絡まりやすさに合わせて、頻度や方法を見直しましょう。

特に毛が長い場合や、成犬の被毛に生え変わる時期には、毎日のお手入れが必要になることがあります。

ブラッシングを嫌がる犬には、最初から全身を一度に行わず、短時間から慣らすことが大切です。落ち着いていられたら褒めたり、おやつを与えたりしながら、少しずつ時間を延ばしましょう。

なお、ブラッシングは被毛内に残った抜け毛を取り除くためのもので、毛根から抜ける毛の量そのものを減らすとは限りません。

シャンプーの方法と頻度

ビションフリーゼのシャンプーは、月1回程度をひとつの目安にするとよいでしょう。ただし、適切な頻度は生活環境や被毛の汚れ具合によって異なります。

BFCAでは、生活スタイルに応じて1〜2週間ごとに入浴させる方法も紹介しています。そのため、月1回がすべての犬に適した頻度というわけではありません。

散歩などで被毛が汚れやすい場合は洗う間隔を短くし、皮膚が乾燥しやすい場合などはシャンプーの種類や頻度を見直す必要があります。

シャンプー前にはブラッシングを行い、抜け毛やもつれを取り除いておきましょう。毛玉が残ったまま濡らすと、毛がさらに絡まってほぐしにくくなることがあります。

洗う際は、ぬるま湯で被毛を根元まで十分に濡らし、犬用シャンプーを使って優しく洗います。目や耳の中にシャンプーが入らないように注意してください。

洗い終わったら、シャンプーが残らないように十分にすすぎます。すすぎ残しは皮膚への刺激につながることがあるため、毛の密集した部分も丁寧に確認しましょう。

シャンプー後はタオルで水分を吸い取り、ドライヤーで被毛の根元まで乾かします。熱風を同じ場所に当て続けず、低温の風を使いながら皮膚や被毛の状態を確認してください。

皮膚に赤みやかゆみがある場合は、自己判断でシャンプーの回数を増やさず、獣医師に相談しましょう。

トリミングの必要性と頻度

ビションフリーゼのトリミングは、4〜6週間に1回程度が目安です。AKCでも、被毛が伸びて毛玉になるのを防ぐため、定期的なカットを推奨しています。

ビションフリーゼは被毛が伸びやすく、長くなった毛を放置すると絡まりやすくなります。定期的にカットすることで、ブラッシングしやすい状態を保てます。

特に目の周囲や足先などは、毛が伸びることで汚れが付着したり、日常生活の妨げになったりすることがあります。

トリミングの間隔は、被毛の長さや毛玉のできやすさ、お手入れの状況に合わせて調整しましょう。

例えば、次の予約までに毛玉が増えたり、ブラッシングが難しくなったりする場合は、カットの間隔を短くすることも選択肢になります。

また、トリミングサロンでは被毛の内側や皮膚の状態も確認してもらい、家庭でのお手入れ方法について相談するとよいでしょう。

ビションフリーゼに毛玉ができる原因と対処法

ビションフリーゼの毛をバリカンで刈ろうとしている光景

ビションフリーゼは抜け毛が少ない一方で、毛玉ができやすい犬種です。抜けた毛が被毛内に残りやすく、周囲の毛と絡まることが主な原因です。

また、毛同士の摩擦や首輪・ハーネスとの接触、湿気なども毛が絡まる要因になります。

毛玉を放置すると皮膚が引っ張られて痛みが生じたり、毛玉の下に湿気や汚れがたまって皮膚トラブルにつながったりすることがあります。

毛玉ができやすい場所

ビションフリーゼでは、特に耳の後ろ、脇の下、足の付け根などに毛玉ができやすい傾向があります。

これらの場所は体を動かすたびに毛同士がこすれたり、皮膚と被毛が接触したりするため、もつれが生じやすくなります。

また、首輪やハーネスが当たる首元や胸元、足の内側、しっぽの付け根なども確認しておきたい部分です。

毛玉は表面から見ただけでは気づきにくいことがあります。被毛を指で少しずつ分け、皮膚に近い部分に毛の塊がないか確認しましょう。

特に耳の後ろや脇の下などは、見落としやすい場所です。ブラッシングの際には、こうした部分を意識して確認することが大切です。

毛玉ができたときの対処法

小さく緩いもつれであれば、皮膚を引っ張らないように毛の根元を支え、指やコームで少しずつほぐせる場合があります。

ただし、強く引っ張ったり、無理にブラシを通したりすると、皮膚に痛みや傷を生じさせるおそれがあります。

毛玉が固く密集している場合や、皮膚に張り付くように絡まっている場合は、家庭で無理に取り除こうとせず、トリマーに相談しましょう。

特に注意したいのは、ハサミを使った毛玉の切除です。毛玉の下では皮膚が引っ張られていることがあり、毛と皮膚の境目が分かりにくいため、誤って皮膚を切ってしまう危険があります。

また、毛玉に触れると痛がる、広い範囲に毛玉ができている、皮膚に赤みや傷が見られるといった場合は、獣医師への相談も必要です。

毛玉がひどくなると、皮膚への負担を避けるために被毛を短く刈る必要が生じることもあります。無理にほぐすよりも、安全に取り除くことを優先しましょう。

抜け毛が急に増えたときのチェックポイント

悲しげな表情で床に伏せているビションフリーゼ

ビションフリーゼは一般的に抜け毛が少ない犬種ですが、日常的な毛の生え変わりはあります。

ただし、急に毛が大量に抜けるようになった場合や、部分的に毛が薄くなった場合は、通常の生え変わりとは異なる可能性があります。

抜け毛の量だけでなく、皮膚の赤みやかゆみ、毛の薄くなり方なども確認することが大切です。

正常な抜け毛と異常な脱毛の違い

正常な抜け毛は、毛周期に伴って古い毛が自然に抜け落ちる現象です。被毛の密度が保たれ、皮膚に異常が見られない場合は、通常の生え変わりである可能性があります。

一方、毛が部分的に抜けて地肌が見える場合や、被毛が全体的に薄くなってきた場合は、異常な脱毛が疑われます。

また、毛根から抜ける脱毛だけでなく、毛が途中で折れる「切れ毛」にも注意が必要です。

切れ毛は摩擦などによって起こることがありますが、かゆみによって体を繰り返し舐めたり、かじったりすることで生じる場合もあります。

例えば、同じ場所の毛だけが短くなっている、左右で被毛の密度が違う、皮膚が以前より見えやすくなったといった変化があれば、注意して観察しましょう。

ただし、抜けた毛の見た目だけで、正常な生え変わりなのか病気による脱毛なのかを判断することはできません。

脱毛の場所や広がり方、皮膚の状態を確認し、気になる変化がある場合は動物病院で相談しましょう。

動物病院に相談したい症状

ビションフリーゼの抜け毛が急に増えた場合、特に注意したいのは皮膚の異常を伴っているケースです。

毛が円形や部分的に抜けている、脱毛している範囲が広がっている、皮膚が赤くなっているといった症状があれば、動物病院で診察を受けましょう。

また、体を頻繁にかく、同じ場所を繰り返し舐める、フケやかさぶたが増える、皮膚から普段と異なるにおいがするといった変化にも注意が必要です。

犬の脱毛には、アレルギー、寄生虫、細菌や真菌による感染、ホルモンの異常など、さまざまな原因が考えられます。

ただし、これらはビションフリーゼだけに起こる病気ではなく、症状だけで原因を特定することもできません。

脱毛とともに強いかゆみや痛み、出血、皮膚のただれなどが見られる場合は、早めに受診してください。皮膚に異常がなくても、脱毛が進行する場合は獣医師への相談が必要です。

受診する際には、いつから抜け毛が増えたのか、どの部分で脱毛が起きているのか、かゆみの有無などを伝えるとよいでしょう。症状の変化を写真に残しておくことも役立ちます。

なお、抜け毛を改善しようとして、人間用の育毛剤を自己判断で使用してはいけません。特にミノキシジルを含む育毛剤は、犬に重い中毒を引き起こすおそれがあり危険です。

ミノキシジル製剤を犬が舐めたり、皮膚に付着したりした場合は、症状がなくても速やかに動物病院へ連絡してください。

まとめ

並んで座っている2匹のビションフリーゼ

ビションフリーゼは一般的に抜け毛が少なく、室内でも床や衣類に毛が目立ちにくい犬種です。ただし、まったく毛が抜けないわけではなく、抜けた毛が巻き毛の内側に残りやすいため、定期的なお手入れが欠かせません。

ブラッシングは週2〜3回以上、できれば毎日行い、シャンプーは月1回程度、トリミングは4〜6週間に1回程度を参考にしましょう。毛の長さや絡まりやすさ、皮膚の状態などを確認しながら、適切な頻度に調整することが大切です。

特に耳の後ろや脇の下、足の付け根などは毛玉ができやすいため、日頃から注意して確認してください。固い毛玉は無理に取り除かず、専門家に相談しましょう。

また、急激な抜け毛の増加や部分的な脱毛、かゆみ、赤みなどが見られる場合は、通常の生え変わりと決めつけず、獣医師に相談することが大切です。