
チワワは、あらゆる病気に弱い犬種ではありません。ただし、心臓や呼吸器、関節、神経に関する一部の病気では、犬全体より保険請求割合が高いことが分かっています。
アニコム損保の「家庭どうぶつ白書2025」によると、2023年度のチワワ111,386頭(0〜12歳)の保険請求統計では、弁膜症が6.2%(犬全体2.5%)、てんかんが1.9%(同1.3%)でした。
また、気管虚脱は0.8%(同0.6%)、膝蓋骨(亜)脱臼は2.5%(同1.7%)となっています。ただし、これらは保険契約犬の請求割合であり、日本のチワワ全体の発症率を示すものではありません。
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の左心房と左心室の間にある「僧帽弁」が正常に閉じなくなり、血液が逆流する病気です。チワワをはじめとする小型犬で注意したい心臓病のひとつです。
初期には目立った症状がなく、健康診断で心雑音を指摘されて初めて気づく場合もあります。進行すると、咳が増える、疲れやすくなる、運動を嫌がる、呼吸が速くなるといった変化が見られることがあります。
さらに心臓の働きが低下すると、肺に水分がたまる「肺水腫」を引き起こし、呼吸困難などの危険な状態になるケースも存在します。
診断には聴診や胸部X線検査、心臓超音波検査などを用います。
治療は進行度によって異なり、定期的な経過観察のみを行う場合もあります。しかし、心機能の低下が進んだときは、心臓の働きを助ける薬や利尿薬の投与、対応できる動物病院では外科手術などが検討されます。
なお、前述の保険統計における6.2%は「弁膜症」全体の請求割合であり、僧帽弁閉鎖不全症だけの数値ではありません。
気管虚脱は、空気の通り道である気管が押しつぶされたように変形し、内部が狭くなる病気です。チワワなどの小型犬で注意したい呼吸器の病気として知られています。
代表的な症状は、ガーガーとガチョウの鳴き声に似た乾いた咳です。興奮したときや運動後、暑い環境などで咳が出やすくなる場合があります。
症状が進むと、呼吸の際に異常な音がする、息が苦しそうになるなどの変化が見られます。ただし、咳は心臓病や気管支の病気などでも起こるため、咳だけで気管虚脱とは判断できません。
診断には胸部X線検査などを用い、必要に応じて呼吸に伴う気管の変化を確認する透視検査や内視鏡検査を行います。
治療では、咳や気道の炎症を抑える薬などを使うほか、重症例では外科的な治療が検討されることもあります。
肥満や首への圧迫、暑さ、過度な興奮などは症状を悪化させる要因となるため、体重管理や生活環境への配慮も重要です。
膝蓋骨脱臼は、膝のお皿にあたる「膝蓋骨」が正常な位置から外れる病気です。一般に「パテラ」とも呼ばれ、チワワなどの小型犬で注意したい関節の病気です。
代表的な症状には、後ろ足を一時的に浮かせる、スキップするように歩く、足をかばうといった変化があります。一方、脱臼があっても目立った症状が見られない場合があります。
膝蓋骨脱臼は、膝のお皿の外れやすさなどに応じて、グレード1から4までの4段階に分類されます。重症になると膝蓋骨が外れたままになり、歩行障害や骨の変形につながることもあります。
診断では、獣医師が膝関節を触って状態を確認し、必要に応じてX線検査などを行います。
治療は重症度や痛み、歩行状態などによって異なります。軽症で症状が少ない場合には経過観察や体重管理などを行い、痛みや歩行障害が強い場合には手術が検討されます。
膝蓋骨脱臼には、生まれつきの骨格や関節の構造が関係する場合があります。滑りやすい床や高所からの飛び降りによる負担を減らすことは大切ですが、それだけで発症を完全に防げるわけではありません。
てんかんは、脳の神経細胞の異常な電気活動によって、発作を繰り返す病気です。チワワでも注意したい神経疾患のひとつで、発作の現れ方には違いがあります。
全身が突っ張る、手足を激しく動かす、意識を失うなどの発作が見られることがあります。一方、体の一部だけがけいれんしたり、普段とは異なる動作を繰り返したりする場合もあります。
ただし、けいれん発作は低血糖症や中毒、脳炎や脳腫瘍などその他の脳の病気などでも起こります。発作があったという理由だけで、てんかんと診断することはできません。
診断では、発作の経過や神経学的検査、血液検査などを組み合わせ、必要に応じてMRI検査などで別の病気がないか調べます。
てんかんと診断された場合には、発作の頻度や重症度に応じて抗てんかん薬による治療が検討されます。継続的な投薬が必要になる場合もあります。
発作が起きた際は、周囲の危険な物を遠ざけ、発作が始まった時刻と持続時間を確認しましょう。安全に撮影できる場合は動画を残すと、診察時の参考になります。
発作が長く続く場合や繰り返す場合には、緊急対応が必要です。発作を止めようとして体を押さえつけたり、口の中に手や物を入れたりしないでください。

チワワでは、アニコムの調査で保険請求割合が高かった心臓病や関節の病気以外にも、水頭症や目の病気などに注意が必要です。また、体の小さな子犬では低血糖症が問題になることもあります。
ただし、これらは発症に関係する要因や根拠がそれぞれ異なります。チワワとの関連が知られる病気と、小型犬全般で注意したい健康問題を区別して理解することが大切です。
水頭症は、脳や脊髄の周囲を循環する「脳脊髄液」が脳内に過剰にたまることなどによって、神経症状を引き起こす病気です。生まれつきの異常が関係する場合もあります。
チワワは、水頭症との関連が知られている犬種のひとつです。国内の獣医神経病専門施設を対象とした研究でも、チワワとの関連が報告されています。
ただし、専門施設に紹介された症例の割合は、日本のチワワ全体の発症率を示すものではありません。
代表的な症状には、ふらつき、歩行の異常、視覚の障害、けいれん発作、反応や行動の変化などがあります。ただし、画像検査で脳室の拡大が見つかっても、必ず症状が出るとは限りません。
診断には神経学的検査やMRI検査などを用います。治療では、症状や原因に応じて薬物療法を行い、必要な場合には脳脊髄液を別の場所へ流す手術が検討されます。
なお、チワワは頭部に丸みがある犬種ですが、頭の形だけで水頭症かどうかを判断することはできません。
低血糖症は、血液中のブドウ糖が不足して、体や脳の働きに影響が出る状態です。特に体が小さく、エネルギーを蓄える力が十分に発達していない子犬で注意が必要です。
食事の間隔が長く空く、十分に食べられない、下痢や嘔吐が続くなどの状況で起こることがあります。ただし、低血糖症はチワワだけに特有の病気ではありません。
代表的な症状は、震え、ふらつき、元気の低下、ぐったりするなどです。重症になると、けいれんや意識障害を起こすことがあります。
こうした症状が見られた場合は、低血糖症以外の病気も考えられるため、速やかに動物病院へ連絡してください。診断には血糖値の測定などが必要です。
治療では状態に応じてブドウ糖の補給や点滴などを行い、原因となる病気があれば、その治療も必要になります。
意識が低下している犬や正常に飲み込めない犬に、砂糖水や食べ物を無理に与えてはいけません。誤嚥(食べ物などが気道に入ること)の危険があるため、緊急受診を優先しましょう。
チワワは大きな目が特徴的な犬種で、目の表面の傷や炎症にも注意したいところです。特に、目の最も外側にある透明な膜「角膜」に異常が起こる場合があります。
角膜炎は角膜に炎症が生じた状態で、角膜潰瘍は角膜の表面が傷つき、組織が欠損する病気です。外傷や乾燥など、さまざまな原因が関係します。
目が赤くなる、涙が増える、目を細める、前足で目をこするなどの症状が見られます。進行すると角膜が白く濁り、強い痛みを伴うこともあります。
動物病院では、目の表面を観察するほか、角膜の傷を調べる染色検査などを行います。治療では点眼薬などを使用し、深い潰瘍では外科的な処置が必要になる場合もあります。
目の異常は短時間で悪化することがあるため、痛がって目を開けられない場合や明らかな傷がある場合は、早急に受診しましょう。
歯周病は、歯垢に含まれる細菌などが関係して、歯ぐきや歯を支える組織に炎症が起こる病気です。チワワを含む小型犬で注意したい口腔内の健康問題です。
初期には歯ぐきの赤みや口臭などが見られ、進行すると歯ぐきからの出血、歯のぐらつき、食べにくさなどにつながる場合があります。
口臭が強くなった、硬いフードを食べにくそうにする、片側だけで噛むといった変化にも注意が必要です。
診断では口の中の状態を確認し、必要に応じて麻酔下で歯周ポケットの検査や歯科X線検査などを行います。
治療には歯石除去や歯周組織の処置などがあり、進行した歯周病では抜歯が必要になることもあります。
歯周病を防ぐためには、家庭での継続的な歯磨きと、動物病院での口腔内の確認が重要です。

チワワの病気は、咳や震え、歩き方の変化など、日常の小さな異変から気づく場合があります。ただし、同じ症状でも原因はさまざまであり、見た目だけで病名を判断することはできません。
大切なのは、普段との違いに加えて、症状の持続時間や悪化の有無、呼吸や意識の状態を確認することです。緊急性の高い症状を知っておくと、適切な受診につなげやすくなります。
チワワに明らかな呼吸困難や意識障害などが見られる場合は、命に関わる状態の可能性があります。夜間や休日でも、速やかに救急対応が可能な動物病院へ連絡しましょう。
特に、口を開けて苦しそうに呼吸する、舌や歯ぐきが青紫色になる、呼びかけへの反応が著しく低下する、意識を失うといった症状には緊急対応が必要です。
けいれん発作が長く続く、短時間に何度も繰り返す、発作後も意識が十分に戻らない場合も危険です。5分以上続くけいれんは重要な緊急対応の目安ですが、5分経過するまで連絡を待つ必要はありません。
また、突然立てなくなる、足が麻痺する、眼球が異常に突出するなどの状態も、速やかな診察が必要です。
呼吸が苦しそうな場合は無理に歩かせず、できるだけ興奮させないようにして搬送しましょう。けいれんしている犬を強く押さえたり、意識のない犬に飲食物を与えたりしないでください。
チワワが震える原因には、寒さや恐怖、興奮などのほか、痛みや体調不良が考えられます。そのため、震えが見られたという理由だけで特定の病気を判断することはできません。
震えているときは、意識がはっきりしているか、普段通りに歩けるか、呼吸に異常がないかなどを確認しましょう。
元気がない、ご飯を食べない場合には、食欲の低下がいつから続いているか、水を飲めているか、嘔吐や下痢がないかなども重要な判断材料になります。
食欲不振が続く場合や、震えとともに元気の低下、嘔吐、歩行の異常などが見られる場合は、早めに動物病院を受診してください。
特に体の小さな子犬では、食事が十分に取れないことで低血糖になる可能性があります。成犬と同じ感覚で長時間様子を見ることは避けましょう。
チワワが咳をしている場合は、咳の音や回数、発生する状況を確認しましょう。興奮時に出るのか、安静時にも続くのか、夜間に増えるのかといった情報が診察時の参考になります。
また、犬には「逆くしゃみ」と呼ばれる現象があり、鼻から勢いよく空気を吸い込むような音を繰り返すことがあります。
逆くしゃみは短時間で治まり、その後は普段通りに過ごす場合もあります。ただし、何度も繰り返す、長引く、呼吸が苦しそうといった場合は、別の病気が関係している可能性もあります。
咳は気管虚脱や心臓病などでも見られるため、頻度が増えている場合や長引く場合には受診が必要です。
特に安静にしているのに呼吸が速い、腹部を大きく動かして呼吸している、横になれないほど苦しそうな場合は、緊急性が高い可能性があります。
症状を安全に撮影できる場合は、咳や呼吸音の動画を残しておくと、診察時に役立つことがあります。
チワワが片足を浮かせて歩く、スキップするような動きをする、足をかばうといった場合には、関節や筋肉などに問題が起きている可能性があります。
膝蓋骨脱臼でも似た症状が見られますが、骨折や靱帯の損傷、神経の病気などでも歩き方は変化します。
歩行の異常に気づいた場合は、どの足に症状があるか、痛がっているか、突然始まったのか、繰り返しているのかなどを確認しましょう。
歩き方の異常が続く、痛みが強い、足を地面につけられない場合は、早めに動物病院を受診してください。
特に突然立てなくなったり、足が麻痺したりした場合は、緊急対応が必要です。無理に歩かせたり、足を引っ張って確認したりしないでください。
チワワの目が赤い、涙が増えている、目を細めているといった場合には、目の表面に炎症や傷が生じている可能性があります。
特に、片目だけを閉じたままにする、目を開けられない、前足で何度もこするといった様子は、痛みや不快感のサインかもしれません。
目が白く濁っている、出血している、外傷がある場合も注意が必要です。角膜の傷などは悪化することがあるため、早めに受診してください。
眼球が異常に突出している場合は緊急性が高く、動物病院での速やかな治療が必要です。
目に異常があるときは、無理にまぶたを開いたり、自己判断で人間用の目薬を使用したりしないでください。

チワワの病気の検査や治療は、症状や疑われる病気によって異なります。動物病院では、まず問診や身体検査によって状態を確認し、必要に応じて詳しい検査を行います。
例えば、心臓病が疑われる場合は聴診や胸部X線検査、心臓超音波検査などを行います。歩行の異常がある場合には関節の触診やX線検査、けいれん発作がある場合には血液検査や神経学的検査などが検討されます。
目の病気では角膜の傷を調べる検査、歯周病では口腔内の診察や歯科X線検査などが必要になることもあります。
治療方法には、定期的な経過観察、薬物療法、手術などがあります。慢性的な心臓病やてんかんでは長期間の投薬管理が必要になる場合がある一方、膝蓋骨脱臼などでは手術を検討することもあります。
治療費については、病気の種類だけでなく、検査内容や入院の有無、治療期間などによって大きく変わります。
アニコム損保の「家庭どうぶつ白書2025」に掲載されたチワワの年間診療費では、弁膜症の中央値は86,284円、てんかんは56,071円、気管虚脱は18,678円、膝蓋骨(亜)脱臼は12,540円となっています。
ただし、これらは2023年度の保険請求データに基づく疾患別の年間診療費であり、今後の治療に必要な金額や手術費用を保証するものではありません。
手術費用の例として、動物医療センターPecoが公開しているチワワの膝蓋骨脱臼の片足手術では、術前検査や入院費を含めて342,290円からとされています。なお、この金額には麻酔費用が含まれていません。
このように、手術が必要になる場合には数十万円単位の費用がかかることもあります。ただし、個別の動物病院が示した金額を、全国の平均治療費と考えることはできません。
治療を受ける際は、検査費、麻酔費、入院費、薬代、再診費などが見積もりに含まれているか確認すると、総額を把握しやすくなります。
また、ペット保険に加入している場合は、対象となる病気や補償割合、支払限度額、免責事項などを確認しておきましょう。

チワワの病気には、生活環境の工夫で負担を軽減できるものがある一方、先天的な要因や加齢などが関係し、完全な予防が難しいものもあります。
そのため、日常の健康管理では、体に余分な負担をかけないこと、症状の悪化を防ぐこと、異常を早く発見することが重要です。
チワワの健康管理では、年齢や体格、活動量、健康状態に合った食事を与え、適正な体型を維持することが大切です。
肥満になると関節への負担が増えるほか、呼吸器や心臓に病気がある場合には、体への負担が大きくなる可能性があります。
適正な体型を確認する際は、体重だけでなく「ボディコンディションスコア(BCS)」も参考になります。BCSは、肋骨の触れ方や腰のくびれなどから、体脂肪の状態を評価する方法です。
一般的に、肋骨が厚い脂肪に覆われず触れられ、上から見たときに腰のくびれが確認できる体型が適正な状態の目安となります。
定期的に体重を測り、増減の傾向を記録しておきましょう。体重が増えている場合は、フードやおやつの量、運動量などを見直すことが大切です。
ただし、子犬は成長のために十分な栄養が必要です。特に体の小さな子犬では、食事の間隔が長く空きすぎないようにし、成長段階に合った食事回数と量を確保してください。
チワワの関節や呼吸器への負担を軽減するためには、室内環境を整えることも大切です。
滑りやすいフローリングには滑り止めのマットを敷き、走ったり方向転換したりする際に足を滑らせにくい環境を作りましょう。
また、ソファやベッドなどの高い場所から何度も飛び降りることは、足腰への負担につながります。必要に応じて段差を低くするなど、安全に移動できる工夫を取り入れてください。
首への負担にも注意が必要です。散歩中にリードを強く引っ張ると首に圧力がかかるため、体格に合ったハーネスを使用し、無理に引っ張らない散歩を心がけましょう。
ただし、ハーネスの使用によって気管虚脱を予防できると断定することはできません。あくまで首への圧迫を減らすための対策です。
さらに、暑い環境や過度な興奮は呼吸器に負担をかける場合があります。室温や運動量を調整し、愛犬の呼吸状態に合わせて無理のない生活を心がけましょう。
チワワの目の健康を守るためには、普段から目の状態を観察することが大切です。充血や涙の増加、目やに、目を細める様子などがないか確認しましょう。
目の周囲に汚れが付いている場合は、清潔なガーゼなどを使い、目を傷つけないように優しく取り除いてください。
ただし、眼球を強く押したり、無理に目の周囲をこすったりしないことが重要です。目に痛みや異常が見られる場合は、家庭で処置を続けず受診しましょう。
歯の健康管理では、日常的な歯磨きが基本になります。できれば毎日、犬用の歯ブラシなどを使って、歯の表面に付着した歯垢を取り除きましょう。
歯磨きを嫌がる場合は、まず口元に触れられることに慣らし、無理のない範囲で少しずつ進めてください。
なお、歯石が付着していたり、歯ぐきに炎症が起きていたりする場合は、家庭での歯磨きだけでは対応できないことがあります。定期的に動物病院で口腔内を確認してもらうことも大切です。
チワワの病気を早期発見するためには、症状がないときから定期的に健康診断を受けることが重要です。
特に心臓病は、飼い主が異変に気づく前に心雑音が見つかることがあります。また、膝蓋骨脱臼や歯周病なども、健康診断で状態を確認できる場合があります。
健診では、体重や体型、心臓の音、呼吸の状態、膝関節、口腔内などを確認してもらうとよいでしょう。
健康な成犬では年1回程度の健康診断をひとつの目安とし、シニア期には半年に1回程度の確認を検討するとよいでしょう。ただし、年齢や持病、健康状態によって適切な頻度は異なります。
心雑音や歩行の異常などが見つかった場合は、通常の健康診断とは別に、必要な検査や再診の時期を決めることも重要です。
家庭では、体重の推移、咳の回数、食欲、運動時の様子などを記録しておくと役立ちます。気になる症状がある場合には、発生した日時や持続時間、頻度などを診察時に伝えましょう。
定期的な健康診断と日々の観察を組み合わせることで、病気の早期発見や適切な治療につなげやすくなります。

チワワにはさまざまな毛色がありますが、一部の毛色に関連する遺伝的な健康問題が知られています。ただし、毛色だけで病気の有無や寿命を判断することはできません。
JKC(ジャパンケネルクラブ)の現行犬種標準では、チワワの毛色について「マール以外の全ての色調及び組み合わせ」が認められています。
マールは、被毛にまだら模様が現れる遺伝的な毛色の特徴です。マールに関係する遺伝子を2つ受け継いだ犬(ダブルマール)では、先天的な聴覚障害や眼の異常などのリスクが高まることが知られています。
ただし、マールの犬すべてに健康上の異常があるわけではなく、遺伝子の組み合わせによってリスクは異なります。
一方、ブルーやイザベラなどの淡い毛色では、「淡色被毛脱毛症(カラー・ダイリューション・アロペシア)」と呼ばれる皮膚の病気が問題になる場合があります。
これは、被毛の色素に関連する遺伝的な特徴が関係し、毛が弱くなったり、脱毛が生じたりする病気です。マールに関連する聴覚や眼の異常とは、異なる健康問題です。
ただし、ブルーやイザベラの毛色を持つチワワが、必ず脱毛症になるわけではありません。
また、体格が極端に小さいチワワでは、特に子犬の時期に低血糖などの健康問題に注意が必要です。
JKCの犬種標準では体重は1〜3kg、理想体重は1.5〜2.5kgとされていますが、これは犬種の理想像を示す基準です。個々の犬にとって獣医学的に適切な体重を決めるものではありません。
実際の健康管理では、骨格や年齢、筋肉量、体脂肪の状態などを考慮することが重要です。
なお、ロングコートとスムースコートという被毛の長さの違いだけで、特定の病気になりやすいと判断することもできません。

チワワは、あらゆる病気に弱い犬種ではありません。ただし、国内の保険請求統計では、弁膜症、てんかん、気管虚脱、膝蓋骨脱臼などで、犬全体より請求割合が高いことが示されています。
また、水頭症や低血糖症、目の病気、歯周病なども、年齢や体格、健康状態に応じて注意したい健康問題です。
病気の早期発見には、普段から咳や震え、食欲、歩き方、呼吸の様子などを観察し、小さな変化を見逃さないことが大切です。ただし、症状だけで病名を判断することはできません。
特に呼吸困難や意識異常、長く続くけいれん、急な麻痺などが見られる場合は、様子見を続けず、速やかに動物病院を受診しましょう。
すべての病気を完全に予防することは難しくても、適正体重の維持や生活環境の工夫、目と歯のケア、定期的な健康診断は、体への負担を減らし、健康状態を確認するために役立ちます。愛犬の普段の様子を把握し、異変に早く対応できるようにしておくことが大切です。