
ポメラニアンには多彩な毛色があります。JKC(ジャパンケネルクラブ)の現行犬種標準には、基本となる5区分と、その他の毛色として7つの名称が記載されています。
基本の5区分は、ホワイト、ブラック、ブラウン、オレンジ、グレーの色調です。
その他の毛色には、オレンジ・セーブル、クリーム、クリーム・セーブル、ブラック・アンド・タン、ブラック・アンド・シルバー、ブラウン・アンド・タン、パーティカラーが含まれます。
これらは合計12項目ですが、JKCがポメラニアンの毛色を「全部で12色」と定めているわけではありません。毛色の区分には、単色だけでなく、色の濃淡や模様を表すものも含まれています。
例えば、セーブルは毛先に黒っぽい色が入ることで陰影が生まれる毛色、タンは目の上や頬、胸、脚などに見られる黄褐色系のマーキングを指します。
パーティカラーは白を地色として、別の色の斑が入る模様です。JKCでは斑の色や入り方についても基準が設けられています。
また、販売サイトでは「チョコレート」「ウルフセーブル」「レッド」など、JKCの犬種標準とは異なる呼び方が使われることもあります。
毛色を比較するときは、JKCの正式な名称と、販売上の呼称を区別して理解することが大切です。

ポメラニアンの代表的な毛色には、オレンジ、クリーム、ホワイト、ブラックなどがあります。さらに、セーブルやタン、パーティカラーなど、模様によって見た目が大きく異なるものもあります。
国内の子犬販売サイト「みんなのブリーダー」では、2026年10月8日時点で、クリーム164頭、オレンジ126頭、ホワイト系113頭、オレンジセーブル73頭が掲載されていました。
これらは掲載頭数であり、実際の販売実績や全国的な人気順位を示すものではありません。ただし、国内で比較的多く販売されている毛色を知る参考になります。
ここでは代表的な毛色を中心に、それぞれの色合いや模様の違いを紹介します。
オレンジは、ポメラニアンを代表する毛色のひとつです。明るい橙色から赤みを帯びた橙色まで、個体によって色合いに違いがあります。
JKCの犬種標準では、オレンジは均一な中間色とされており、胸や尾、後ろ脚の毛などがやや明るいことは許容されています。
一方、オレンジセーブルは、オレンジ色の被毛に黒っぽい差し毛が混ざる毛色です。特に背中や顔まわりなどに黒い毛先が見られると、全体に濃淡のある印象になります。
オレンジセーブルは成長に伴って黒い差し毛の見え方が変わる場合があり、子犬のころと成犬になってからでは、毛色の印象が異なることもあります。
なお、濃いオレンジ色を「レッド」と呼ぶ場合もありますが、JKCの現行犬種標準では、レッドは独立した毛色名として記載されていません。
クリームは、淡い黄色や薄いベージュを思わせる、柔らかな色合いの毛色です。白に近い明るいクリームから、やや黄みが強いクリームまで個体差があります。
オレンジと比べると赤みが少なく、全体的に淡く見えることが特徴です。一方、ホワイトとは異なり、被毛に黄みやベージュ系の色合いが感じられます。
クリームセーブルは、クリーム色を基調とした被毛に、黒っぽい差し毛が入る毛色です。
耳や背中、尾などに暗い色が混ざると、単色のクリームよりも陰影のある見た目になります。
ただし、差し毛の量や分布には個体差があり、成長によって色の見え方が変化することもあります。
ホワイトは、白い被毛が特徴の毛色です。ふわふわした毛並みと白い色合いが組み合わさり、明るい印象を与えます。
JKCの犬種標準では、ホワイトの被毛はピュアホワイトとされており、耳に見られるわずかな黄色い線は許容されています。
クリームとの違いは、被毛全体に黄みやベージュ系の色合いがあるかどうかです。ただし、淡いクリームは白に近く見えることもあり、写真だけでは判断が難しい場合があります。
また、白い被毛は口まわりや足先などの汚れ、涙による着色が目立ちやすい傾向があります。
涙やけなどが気になる場合は、単なる毛色の問題と考えず、目や皮膚の状態も確認しましょう。
ブラックは、全身が黒い被毛で覆われる毛色です。毛並みに光が当たると、黒い被毛特有のつやが感じられます。
JKCの犬種標準では、ブラックは下毛と皮膚も黒く、上毛には白やほかの色のマーキングがない、光沢のある黒色とされています。
下毛とは、被毛の内側に密生している柔らかい毛のことです。外側の毛だけでなく、内側の毛の色も犬種標準では重要になります。
ブラックタンのように、目の上や脚などに別の色の模様が入る毛色とは区別されます。
なお、ブラックとして販売されている個体でも、成長によって毛色の見え方が変わる場合があります。購入前には、現在の被毛だけでなく、親犬や成長後の写真なども参考にするとよいでしょう。
ブラックタンは、黒い被毛を基調として、目の上や頬、胸、脚などに黄褐色系のマーキングが入る毛色です。
黒い地色と明るいタンの部分にコントラストが生まれ、眉毛のように見える目の上の模様が特徴的です。
ブラックシルバーは、黒い被毛に銀白色系のマーキングが入る毛色です。ブラックタンと似た模様でも、明るい部分が黄褐色ではなく、シルバー系に見える点が異なります。
また、ブラウン・アンド・タンは、ブラウンを地色としてタンのマーキングが入る毛色です。ブラックタンとの大きな違いは、地色が黒ではなく茶色であることです。
いずれも地色とマーキングの組み合わせが特徴であり、白を地色とするパーティカラーとは区別されます。
パーティカラーは、白い被毛を地色として、別の毛色の斑が入る模様です。白い部分と色のついた部分がはっきり分かれ、個体ごとに異なる模様を楽しめます。
JKCの犬種標準では、地色は必ずホワイトでなければならず、斑にはブラック、ブラウン、オレンジ、クリームなど、基準で指定された毛色が認められています。
また、斑は体全体に分布していることが望ましいとされています。
販売サイトでは「ブラック&ホワイト」「オレンジ&ホワイト」といった名称が使われることもありますが、これらをすべてJKCのパーティカラーと同一視することはできません。
JKCでは2026年1月1日以降の登録分について、「ブラック&ホワイト」「オレンジ&ホワイト」など、指定された毛色名を新たに犬種標準外として扱っています。
白い部分と斑の入り方だけでなく、登録される毛色名や犬種標準への適合状況も確認することが大切です。
ブラウンは、茶色を基調とする毛色です。濃い茶色の被毛が特徴で、ブラックとは異なる温かみのある印象を与えます。
JKCの犬種標準では、ブラウンは均一なダークブラウンとされています。
一方、販売サイトでは「チョコレート」という名称が使われることもあります。一般的には、チョコレートを思わせる茶色の被毛を表す呼び方です。
ただし、JKCの現行犬種標準に「チョコレート」という独立した毛色名が記載されているわけではありません。
販売上のチョコレートが、JKCでどのように登録されるかは、実際の被毛や登録内容を確認する必要があります。
グレー系は、シルバーグレーの被毛に黒い毛先が混ざることで、独特の陰影が生まれる毛色です。
JKCの犬種標準では「グレーの色調」として、毛先が黒いシルバーグレーの被毛が示されています。
さらに、目の周囲に眼鏡のような模様があり、マズルや耳が暗い色であることなど、特徴的なマーキングも定められています。
このような見た目に関連して、販売上では「ウルフセーブル」という名称が使われることがあります。
ウルフセーブルは、灰色や褐色系の被毛に黒い毛先が混ざり、オオカミのような色合いに見える毛色を指す一般的な呼称です。
ただし、販売上のウルフセーブルがすべてJKCの「グレーの色調」に該当するとは限りません。毛色名だけでなく、実際の色合いや模様を確認することが大切です。

ポメラニアンには、ブルー、ビーバー、イザベラ、マールなど、珍しい毛色として紹介されるカラーもあります。
ただし、「珍しい毛色」と「JKCの犬種標準外カラー」は同じ意味ではありません。珍しさは国内での流通状況などに関係しますが、犬種標準への適合はJKCの基準に基づいて判断されます。
JKCでは2026年1月1日以降の登録分について、ブルーやイザベラなど、指定された毛色を新たに犬種標準外の扱いとしています。
さらに、2026年4月1日からは、犬種標準外の毛色について血統証明書などに「NSC」と表示する方式に変更されました。NSCは「NON-STANDARD COLOR」の略称です。
なお、犬種標準外の毛色であること自体が、健康状態の悪さを意味するわけではありません。
ブルーは、黒色の色素が薄まることによって、青みを帯びた灰色のように見える毛色です。実際には鮮やかな青ではなく、暗いグレーやスレートグレーに近い色合いになります。
イザベラは、薄いグレージュや淡い灰褐色のように見える毛色です。ブラウン系の色素が薄まることに関係し、ブルーよりもベージュや薄茶色に近い印象になります。
ビーバーは、淡い茶色やベージュ系の色合いを表す一般的な毛色名です。ただし、販売上の名称や実際の色合いには違いがあるため、名前だけで判断することはできません。
JKCでは、ブルーやイザベラが2026年1月1日以降の登録分で新たに犬種標準外とされました。また、「ビーバー&ホワイト」も対象に含まれていますが、ビーバー単色まで同じ指定を受けたと解釈することはできません。
なお、ブルーなどの淡色被毛に関連して、毛が薄くなったり抜けたりする「毛色希釈性脱毛症(CDA)」という遺伝性の皮膚疾患が知られています。
ただし、淡い毛色の犬が必ず発症するわけではなく、ポメラニアンにおける発症率を一律に示せるものでもありません。
珍しい毛色の子犬を迎える場合は、色合いだけでなく、皮膚や被毛の状態、親犬の健康情報なども確認しましょう。
マールは、被毛の色が部分的に薄まり、濃い部分と淡い部分がまだら模様になる毛色です。
例えば、ブルーマールでは黒や灰色系の被毛に濃淡のある斑が入り、一般的なブルーのように全体が比較的均一に見える毛色とは異なります。
マール模様は遺伝的な仕組みによって生じます。特に注意したいのは、マールに関係する遺伝子変異を持つ犬同士の交配です。
こうした交配では、子犬が両親からマールに関係する遺伝子変異を受け継ぎ、聴覚障害や眼の異常などの健康問題を生じるリスクが高まる場合があります。
JKCもマール同士の交配を避けるよう注意しています。ただし、マールの犬が必ず健康上の問題を持つという意味ではありません。
また、マールに関係する遺伝的リスクと、ブルーなどの淡色被毛に関連する脱毛症は別の問題です。
マールの子犬を検討する場合は、親犬の毛色だけでなく、遺伝子検査の情報や繁殖方針、子犬の健康状態について確認することが大切です。

ポメラニアンは、子犬から成犬になる過程で毛色の印象が変わることがあります。生まれたときの毛色が、そのまま成犬時の色合いになるとは限りません。
特にセーブル系では、成長に伴って黒い差し毛の量や見え方が変化することがあります。
例えば、子犬のころは黒っぽい毛が目立っていたオレンジセーブルでも、成長するとオレンジ色の部分が目立つようになり、全体が明るく見える場合があります。
クリーム系でも、子犬のころと成犬になってからでは、黄みの強さや毛色の濃淡が異なって見えることがあります。
また、ポメラニアンには一般に「猿期」と呼ばれる、子犬の毛から成犬の毛へ生え変わる時期があります。
この時期は顔まわりなどの毛量が一時的に少なく見え、子犬のころとは違う顔立ちになることがあります。新しい毛が生えそろう過程で、毛色の印象も変わる場合があります。
ただし、毛色の変化が起こる時期や程度には個体差があり、必ず何回変わるといった決まりはありません。
親犬の毛色や過去の成長写真は参考になりますが、それだけで子犬の将来の毛色を正確に予測することはできません。
なお、急に大量の毛が抜ける、部分的に毛がなくなる、皮膚に赤みやかゆみが見られるといった場合は、通常の成長変化とは限りません。気になる症状があれば、動物病院で相談しましょう。

ポメラニアンの子犬の値段は、国内ブリーダー直販の成約価格で平均約25万円がひとつの目安です。
「みんなのブリーダー」の2026年10月8日時点のデータでは、直近3か月のポメラニアンの平均成約価格が約25万円、最低価格が8万円、最高価格が100万円とされています。
ただし、これは毛色を区別しないポメラニアン全体の平均価格です。毛色別の平均価格とは異なります。
実際の販売価格を比較するため、同サイトで確認できた毛色別の掲載価格の例を紹介します。
| 毛色 | 掲載価格の例(税込) |
|---|---|
| オレンジ | 28万円 |
| オレンジセーブル | 28万5,000円 |
| クリーム | 20万8,000円 |
| クリームセーブル | 29万8,000円 |
| ホワイト | 22万円 |
| ブラック | 26万5,000円 |
| ブラックタン | 35万円 |
| パーティカラー(販売上の呼称:パーティー) | 27万円 |
| ブルー | 30万円 |
| ブルーマール | 28万円 |
※「みんなのブリーダー」で2026年9〜10月に確認できた子犬の掲載価格から、各毛色につき1頭の事例を示しています。毛色別平均価格や成約価格ではありません。掲載時期や月齢、性別、血統などの条件は統一されていないため、毛色間の価格差を統計的に示すものではありません。
実際には、同じ毛色でも販売価格に大きな幅があります。また、販売サイトによって毛色の分類方法が異なり、ブルー系などに複数の毛色が含まれることもあります。
子犬の値段には、毛色以外にも性別、月齢、血統、体格、販売者ごとの価格設定など、さまざまな要因が関係します。
例えば、同じオレンジでも、親犬の血統や月齢などが違えば販売価格も異なります。珍しい毛色だからといって、必ず高額になるわけでもありません。
毛色による値段の違いを比較するときは、複数の子犬の掲載価格を確認し、できるだけ同じ時期・条件の情報を比べることが大切です。

ポメラニアンの毛色を選ぶときは、現在の見た目だけでなく、成長後の変化や毛色の登録上の扱いも確認することが大切です。
特に子犬の場合は、成長に伴って被毛の濃淡や差し毛の見え方が変わることがあります。迎えたときの色合いが、成犬になってもそのまま続くとは限りません。
親犬の毛色や成犬時の写真を見せてもらうと、将来の見た目を考える参考になります。ただし、同じ親犬から生まれた子犬でも毛色が異なることがあり、成長後の色を確実に予測できるわけではありません。
また、販売サイトで使われている毛色名が、JKCの犬種標準や血統証明書に記載される名称と一致するとは限りません。
ブルーやイザベラなどの珍しい毛色を検討する場合は、JKCの現行基準における扱いも確認しましょう。
2026年4月1日以降の登録分では、犬種標準外の毛色は血統証明書などに「NSC」と表示されます。ただし、NSCの表記があることだけで、その犬の健康状態が悪いと判断することはできません。
健康面については、毛色だけで決めつけず、実際の子犬の状態や親犬の健康情報、必要な検査の実施状況などを確認することが重要です。
特にマールなど遺伝的な配慮が必要な毛色については、繁殖方針も確認するとよいでしょう。
さらに、毛色によって性格やしつけやすさが決まるという十分な根拠はありません。同じ毛色でも性格や行動には個体差があります。
人気の毛色や珍しい色、高額な子犬に魅力を感じることもありますが、見た目だけで選ばないことが大切です。
健康状態や成長後の変化、家庭の生活環境との相性なども考慮して、長く安心して暮らせる子犬を選びましょう。

ポメラニアンには、オレンジ、クリーム、ホワイト、ブラックなど、多彩な毛色があります。さらに、セーブルやタン、パーティカラーなど、色の組み合わせや模様によっても見た目が大きく異なります。
JKCの現行犬種標準には基本5区分とその他7名称が記載されていますが、一般的な毛色名や販売上の呼称と必ずしも一致するわけではありません。
また、ブルーやイザベラ、マールなど、珍しい毛色として紹介されるカラーもあります。こうした毛色を検討する場合は、犬種標準での扱いや遺伝的な注意点についても理解しておくことが大切です。
ポメラニアンは成長に伴って毛色の印象が変わる場合があり、子犬のころの見た目だけで成犬時の毛色を判断することはできません。
販売価格にも幅があるため、人気や希少性だけでなく、実際の子犬の健康状態や親犬の情報、家庭との相性などを総合的に考えて選びましょう。