フレンチブルドッグの毛色は犬種標準で4つに分類される

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FCI(国際畜犬連盟)では、フレンチブルドッグの毛色を「ブリンドル」「フォーン」「パイド」「フォーン&ホワイト」の4つのバラエティーに分類しています。

JKC(ジャパンケネルクラブ)の現行犬種標準も、ブリンドルとフォーン、それぞれにホワイトの斑が入ったものという基本構造は同じです。

ただし、これはあくまで犬種標準上の分類です。実際の販売情報や日常会話では「クリーム」「ブラック」「ブルー」など別の呼び方も使われるため、「フレンチブルドッグの毛色は全部で4種類」と考えると混乱しやすくなります。

人気についても、全国共通の固定順位があるわけではありません。2026年9月24日に確認した「みんなのブリーダー」の掲載件数表示では、ブリンドル123件、クリーム95件、フォーン68件、パイド29件、ホワイト7件でした。

この数字は同サイトで掲載されている子犬の件数を示すもので、実際の成約頭数や全国の飼育頭数を基準にした人気ランキングではありません。どの色をよく見かけるかを知るための一例として捉えるのが適切です。

ブリンドル

ブリンドルは、フォーン系の地色に濃い縞模様が入る毛色です。FCIやJKCでは、虎柄のような印象を与えるダークな縞模様が特徴として説明されています。

縞の入り方には幅があり、濃いブリンドルでは全身がかなり黒っぽく見えることがあります。そのため、見た目だけでは「黒いフレンチブルドッグ」に見える場合もあります。

ただし、黒く見えるダークブリンドルと、縞が確認できない単色ブラックは犬種標準上の扱いが異なります。色が濃いという理由だけでブラックと判断しないことがポイントです。

フォーン

フォーンは、黄褐色から茶色系に見える毛色です。FCI・JKCの犬種標準では、明るいフォーンから濃いフォーンまで幅があるとされています。

そのため、「茶色のフレンチブルドッグ」と呼ばれている犬の中には、犬種標準上ではフォーンに該当する個体が多く見られます。

顔まわりにブラックマスクが入る場合と入らない場合があり、わずかなホワイトの斑が見られることもあります。濃淡だけを細かく別の毛色として分ける必要はありません。

パイド

パイドは、ブリンドルに中程度以上のホワイトの斑が入った毛色です。見た目としては白い部分が広く、黒系の斑が入った「白黒」のフレンチブルドッグに見えることがあります。

ただし、犬種標準上のパイドは単純に「白黒の犬」という意味ではありません。基礎となる色がブリンドルで、そこにホワイトの斑が広く入っていることがポイントです。

ブリンドルが非常に濃い場合には斑がほぼ黒く見えることもあるため、写真だけで単色ブラックとの組み合わせと判断しないようにしましょう。

フォーン&ホワイト

フォーン&ホワイトは、フォーンに中程度以上のホワイトの斑が入った毛色です。白地に茶色系の斑があるように見える個体もいます。

パイドとの大きな違いは、ホワイト以外の部分の基礎となる毛色です。ブリンドルにホワイト斑が入ればパイド、フォーンにホワイト斑が入ればフォーン&ホワイトとして整理されます。

見た目の白い部分の多さだけではなく、色のある部分がブリンドルなのかフォーンなのかを見ると区別しやすくなります。

4分類とは別に使われる毛色名や模様

ブラックマスクのフレンチブルドッグ

フレンチブルドッグでは、FCIの4バラエティーとは別に、販売情報や日常会話で使われる毛色名があります。また、毛色そのものではなく、顔や胸、足などに現れる模様を表す呼び方もあります。

こうした呼称をすべて犬種標準上の独立した毛色だと考えると、「公式には何色あるのか」が分かりにくくなります。毛色名と模様名、さらに登録上の表現を分けて考えることが大切です。

クリーム

クリームは、日本の販売情報でも広く使われている毛色名です。ただし、FCIが示す「ブリンドル・フォーン・パイド・フォーン&ホワイト」という4バラエティーの一つとして、クリームが独立して掲載されているわけではありません。

一方で、「クリームはJKCで完全に認められていない毛色」と説明するのも正確ではありません。

JKCのフレンチブルドッグの毛色登録に関する案内では、「クリーム&ブラック」と登録するのではなく、ブラック部分がマスクを意味する場合には「クリーム,ブラックマスク」と登録すればスタンダード内になる例が示されています。

つまり、「FCIの4分類にクリームという独立した項目がないこと」と、「JKCの登録でクリームという語が使われること」は両立します。犬種標準の分類と血統証明書などの登録表現を分けて理解しましょう。

ブラックマスクなどの模様

ブラックマスクは、口吻や顔の一部が黒く見える模様を指します。FCI・JKCの犬種標準でも、ブリンドルやフォーンについてブラックマスクという表現が使われています。

ブラックマスクは独立した毛色ではなく、フォーンなどの毛色に加わる顔の模様です。そのため、「フォーン」と「ブラックマスク」を別々の毛色として数えるものではありません。

ほかにも、販売情報や愛好家の間では、片目周辺に色の斑が入った見た目を「片パンチ」、胸元の白い部分を「エプロン」、足先の白い部分を「ソックス」などと呼ぶことがあります。

これらは見た目の特徴を伝えるための一般的な呼称であり、FCIが定める4つの毛色バラエティーとは区別して考える必要があります。

フレンチブルドッグの珍しい毛色と犬種標準外のカラー

ブルーのフレンチブルドッグ

フレンチブルドッグでは「珍しい色」「レアカラー」「犬種標準外のカラー」といった表現を見かけますが、これらは同じ意味ではありません。

珍しい色とは見かける頻度についての表現ですが、犬種標準外とはFCI・JKCなどが定める犬種標準に適合しないことを意味します。珍しいから犬種標準外になるわけでも、犬種標準外だから必ず希少というわけでもありません。

販売市場ではブラックやブルーのほか、マール、チョコレート、ココアなどの呼称が使われることもあります。ただし、こうした市場上の名称をFCIの公式4分類と同列に扱うのは適切ではありません。

また、「レアカラーだから高品質」「価格が高いから健康」「珍しい色ほど価値が高い」といった関係も成立しません。希少性、市場価格、犬種標準への適合、健康状態はそれぞれ別の観点です。

ブラックとダークブリンドルの違い

黒く見えるフレンチブルドッグが、必ず単色ブラックとは限りません。ブリンドルの縞が非常に濃いダークブリンドルでは、離れて見ると全身がほぼ黒色に見えることがあります。

JKCはこの違いについて明確に案内しており、「ブラック」「ブラック&ホワイト」「ホワイト&ブラック」はスタンダード外とする一方、「ダーク・ブリンドル」やダークブリンドルを含む登録表現はスタンダード内になり得るとしています。

FCIの現行犬種標準でも、ブラックはスタンダードに合致しない毛色として失格項目に含まれています。

したがって、黒っぽい見た目だけを基準に「ブラック」と判断するのではなく、ブリンドル特有のフォーン系の毛や縞が確認できるかを見ることが重要です。

ブルー・グレーなどの犬種標準外カラー

ブルーは、犬の毛色について黒い色素が薄く見える「希釈色」を表す一般的な呼称です。見た目は青みを帯びたグレーや灰色に見えることがあります。

FCIの現行犬種標準では、ブラックだけでなく、ホワイト斑の有無を問わずブラックの希釈色もスタンダードに合致しない毛色として扱われています。

そのため、一般にブルーと呼ばれるフレンチブルドッグは、FCIの犬種標準上の4バラエティーには含まれません。

「グレー」という言葉も、灰色に見える犬について販売情報などで使われる場合がありますが、「ブルー」と「グレー」がFCIで定められた同一の公式毛色名という意味ではありません。

JKCでも「グレー&ホワイト」「ホワイト&グレー」はスタンダード外として扱うことが案内されています。市場上の色名と、犬種標準上の分類は分けて確認しましょう。

成長すると毛色の濃淡や模様の見え方が変わることがある

ブリンドルのフレンチブルドッグ

フレンチブルドッグは、子犬から成犬へ成長する過程で、毛色の濃淡や模様の見え方が変わることがあります。

子犬の被毛から成犬の被毛へ変わることや、体が大きくなって毛の重なり方や模様の面積比が変わることで、以前より明るく見えたり、ブリンドルの縞が分かりやすく見えたりする場合があります。

ただし、フレンチブルドッグ全体に共通する「生後○ヶ月になるとこの色になる」といった固定された変化パターンはありません。成犬時の色を月齢だけから確定することはできません。

犬の毛色には複数の遺伝的要因が関係しています。親犬の見た目は参考になりますが、親とまったく同じ毛色になるとは限らず、見た目だけでは分からない遺伝的な要素が子犬に現れることもあります。

子犬を見た時点のわずかな色の違いから、将来の濃淡や模様を断定しないことが大切です。

フレンチブルドッグの毛色と健康には関係がある?

眠るフレンチブルドッグ

フレンチブルドッグの健康状態を、毛色だけから判断することはできません。ただし、毛色や色素に関連して犬種標準や研究で注意点が示されているケースはあります。

FCIとJKCの現行犬種標準では、全身がホワイトでも鼻と眼瞼がブラックであれば許容されていますが、難聴のリスクがあるため繁殖には適さないとされています。

これは「白いフレンチブルドッグは難聴になる」という意味ではありません。犬種標準が繁殖上の注意点としてリスクを示しているものであり、毛色だけから個体の聴力を判断することはできません。

また、ブルーなどの希釈色では、色素希釈性脱毛症(CDA)との関係が話題になることがあります。CDAとは、希釈された色素を持つ被毛で脱毛などが生じることがある遺伝性の毛包異常・脱毛症です。

2025年に公表されたドイツのフレンチブルドッグ574頭を対象とする飼い主アンケート調査では、ブルーの犬は90頭でした。ブルーと色素希釈に関連する脱毛との関連はオッズ比2.0でしたが、p値は0.196で、統計学的に有意な関連には達していません。

そのため、この結果だけをもとに「ブルーはCDAのリスクが2倍」「ブルーのフレンチブルドッグは皮膚が弱い」と断定することはできません。研究の対象集団や調査方法にも限界があります。

毛色は健康を考える際の一つの情報になる場合はありますが、健康状態そのものを示す指標ではありません。色だけを理由に健康な犬、病気になりやすい犬と判断しないようにしましょう。

まとめ

アップのフレンチブルドッグ

FCIでは、フレンチブルドッグの毛色をブリンドル、フォーン、パイド、フォーン&ホワイトの4バラエティーに分類しています。

一方、実際にはクリームなど4分類とは別に使われる毛色名があり、ブラックマスクや片パンチなど、毛色ではなく模様を表す呼び方もあります。

特に黒っぽいフレンチブルドッグは、単色ブラックではなく濃いダークブリンドルの場合があります。単色ブラックとダークブリンドルでは、犬種標準上の扱いも異なります。

ブルーやグレーなど一般・販売上で使われる名称についても、FCI・JKCの犬種標準上の分類と混同しないことが大切です。「珍しい色」と「犬種標準外」も同じ意味ではありません。

毛色にはさまざまな見た目の魅力がありますが、人気や希少性だけで性格や健康、犬としての価値まで決まるものではありません。名称の違いを理解したうえで、一頭一頭の状態を見て判断しましょう。