
ペキニーズのミックス犬とは、ペキニーズと別の犬種を親に持つ犬のことです。ペキニーズ自体はミックス犬ではなく、ジャパンケネルクラブ(JKC)などで犬種標準が定められている独立した犬種です。
「ペキプー」「ペキチワ」「ペキズー」といった名前は、親犬の組み合わせをわかりやすく表した通称です。そのため、同じペキプーであっても、すべての犬が同じ顔立ちや体格、毛質になるわけではありません。
成犬時の特徴を考えるときは、それぞれの親犬種の特徴が参考になります。ただし、「両親のちょうど中間の大きさになる」「それぞれのよい特徴だけを受け継ぐ」と予測することはできません。
特に体の大きさは、ペキニーズの犬種標準やもう一方の親犬種の数値を単純に平均して判断しないことが大切です。実際の父犬・母犬がどの程度の大きさなのかを確認すると、成犬時の体格を考える材料になります。
性格や被毛、抜け毛についても同様です。親犬種で知られている傾向は参考になりますが、どの特徴がどの程度表れるかは個体によって異なります。

ペキニーズのミックス犬には、トイプードルやチワワ、ポメラニアンなど、日本でもよく知られている小型犬との組み合わせがあります。
ここでは代表的な7種類について、親犬の特徴を参考にしながら、成犬時の見た目や体格、性格、被毛・抜け毛の傾向を紹介します。
なお、ミックス犬には組み合わせごとの公的な犬種標準がありません。記載する親犬種の体重や体高は、そのミックス犬の標準サイズを示すものではない点に注意してください。
ペキプーは、ペキニーズとトイプードルを親に持つミックス犬です。ペキニーズの丸みのある顔立ちと、トイプードルの特徴的な巻き毛のどちらが強く表れるかによって、成犬時の印象が大きく変わります。
JKCの犬種標準では、トイプードルの体高は24cm超〜28cm以下で、理想体高は25cmです。一方、ペキニーズはオス5kg以下、メス5.4kg以下が理想体重とされています。
ただし、これらはそれぞれの純血種に対する犬種標準です。「ペキプーは○kgになる」と置き換えることはできません。成犬時の大きさを考える場合は、実際の父犬・母犬の体格を確認したほうが参考になります。
性格についても、ペキニーズには忠実で怖いもの知らずとされる一方、やや超然とした面があります。トイプードルは、学習能力や訓練性能の高さが犬種標準でも特徴として挙げられています。
ペキプーがどちらの傾向を強く受け継ぐかは決まっていないため、「トイプードルが親だからしつけやすい」などと決めつけることはできません。
被毛も、トイプードルのようなカールが強く出る場合もあれば、ペキニーズのように厚みのある被毛が目立つ場合もあります。トイプードルとのミックスだからといって、必ず抜け毛が少なくなるわけではありません。
ペキチワやチワペキは、ペキニーズとチワワを親に持つミックス犬の通称です。同じ組み合わせでも呼び方が複数あり、呼び名の違いによって特徴が変わるわけではありません。
チワワは非常にコンパクトな犬種で、JKCの犬種標準では体重1〜3kg、理想体重1.5〜2.5kgとされています。ペキニーズはより骨量があり、オス5kg以下、メス5.4kg以下が理想体重です。
そのため、小型犬同士の組み合わせではありますが、「ペキチワは3〜5kg」といった固定した体重を標準値として示すことはできません。同じペキチワでも、実際の両親の大きさによって将来の体格を考える必要があります。
顔立ちについても、ペキニーズらしい短めのマズルが目立つ個体もいれば、チワワ側の特徴が強く表れる個体もいます。耳の形や毛の長さなどにも違いが生じます。
性格は、チワワでは機敏で注意深く、活発で勇敢とされ、ペキニーズにも怖いもの知らずで忠実という特徴があります。ただし、こうした犬種傾向から個々のペキチワの性格を正確に予測することはできません。
被毛についても短めから長めまで幅があり、毛量や抜け毛の程度は一律ではありません。子犬を迎える際は、両親の毛質も確認すると成犬時の被毛を考える参考になります。
ポメペキやペキポメは、ペキニーズとポメラニアンを親に持つミックス犬です。どちらも豊かな被毛を持つ犬種ですが、顔立ちには異なる特徴があります。
ポメラニアンは、豊富な下毛によってボリュームのある被毛を持ち、小さく尖った耳やフォクシー・ヘッドと呼ばれるキツネを思わせる頭部が特徴です。
一方のペキニーズは、短い顔立ちと比較的がっしりした体つきをしています。ポメペキでは、マズルの長さや耳の形、顔の丸みなど、どちらの親犬に近い印象になるかに幅があります。
ポメラニアンの犬種標準上の体高は21cm±3cmで、体重についてはサイズに相応しいことが求められています。ペキニーズ側にも純血種としての理想体重がありますが、これらからポメペキの標準体重を算出することはできません。
性格では、ポメラニアンは注意深く活発で、飼い主への忠誠心が強いとされています。ペキニーズにも忠実さが挙げられますが、超然とした面もある犬種です。
被毛は豊かになる可能性がありますが、毛の長さや密度、抜け毛量まで一定になるわけではありません。両親とも毛量があるからといって、すべてのポメペキが同じボリュームの被毛になるとは限りません。
ペキパグは、ペキニーズとパグを親に持つミックス犬です。どちらも短いマズルを特徴とする短頭種に含まれるため、ほかの組み合わせと比べて顔の形だけでなく、呼吸の状態にも目を向けたい組み合わせです。
JKCの犬種標準では、パグの理想体重は6.3〜8.1kgです。ペキニーズの理想体重とは差がありますが、子犬がその中間の体重になると決まっているわけではありません。
体つきも、パグのようなコンパクトで筋肉質な印象が強くなる場合や、ペキニーズ側の骨量や被毛によって異なる印象になる場合があります。
性格については、パグは安定しており、愉快で活発とされています。ペキニーズは忠実で怖いもの知らずとされますが、それぞれの特徴がどのように表れるかは個体によって異なります。
被毛はパグのように比較的短く見える個体から、ペキニーズ側の長い毛が目立つ個体まで考えられます。そのため、毛の長さや抜け毛量も「ペキパグだからこの程度」と固定することはできません。
また、短頭種では頭部が短い形態と上部気道の狭さが関係し、BOAS(短頭種気道症候群)と呼ばれる呼吸障害が問題になることがあります。ただし、すべての短頭種がBOASを発症するわけではありません。
ペキパグでも、ミックス犬になれば短頭種に関する問題がなくなるとはいえません。短頭形質が強く表れている場合は、普段の呼吸状態にも注意して確認することが大切です。
ペキズーは、ペキニーズとシーズーを親に持つミックス犬です。どちらも被毛が豊かで、比較的短いマズルを持つ小型のコンパニオンドッグですが、成犬時の外見には個体差があります。
JKCの犬種標準では、シーズーは体高27cm以下、体重4.5〜8kgで、理想体重は4.5〜7.5kgです。一方、ペキニーズの理想体重はオス5kg以下、メス5.4kg以下とされています。
ペキズーの成犬時の体重は、これらの数値を平均して決めることはできません。実際の父犬と母犬の体格を確認し、販売者が成犬時の大きさをどのような根拠で予測しているのかも確認しましょう。
顔立ちは、マズルの長さや頭部の丸みなどに幅があります。ペキニーズとシーズーはいずれも短頭種に含まれるため、顔が平たい個体では見た目だけでなく日常の呼吸状態にも目を向けることが重要です。
シーズーの犬種標準ではあらゆる毛色が認められ、ペキニーズでも多くの色とマーキングが認められています。そのため、ペキズーが必ず黒や白など特定の毛色になるわけではありません。
性格では、シーズーは友好的で自立心があり、ペキニーズにも自立した印象につながる超然とした面があります。ただし、これだけを理由にペキズー全体の性格を決めることはできません。
被毛の長さや量も、個体によって異なります。長く密度のある被毛を受け継いだ場合は、毛玉を防ぐための日常的なブラッシングなど、被毛管理の負担も確認しておきましょう。
マルペキやペキマルは、ペキニーズとマルチーズを親に持つミックス犬です。同じ組み合わせを指す複数の通称であり、呼び方によって親犬の特徴が変わるものではありません。
マルチーズはJKCの犬種標準でオスの体高21〜25cm、メス20〜23cm、体重3〜4kgとされる小型犬です。ペキニーズも小型ですが、骨量があり、持ち上げると見た目以上に重いことが犬種標準でも特徴とされています。
マルペキも小型に育つことが考えられる組み合わせですが、ミックス犬としての標準体重はありません。成犬時の大きさを知りたい場合は、実際の父犬と母犬の体重を確認することが重要です。
マルチーズは非常に長い白い被毛を特徴とする犬種ですが、ペキニーズでは幅広い毛色が認められています。そのため、マルペキが必ず白くなるとは限らず、毛色やマーキングにはさまざまな可能性があります。
被毛も、長さや手触り、密度に個体差があります。長毛になった場合はブラッシングや毛玉対策が必要になりますが、抜け毛の程度まで親犬種だけから決めることはできません。
性格では、マルチーズは活発で愛情深く、穏やかで知的とされています。ペキニーズの忠実さなども参考になりますが、「マルチーズと掛け合わせれば穏やかになる」といった予測は避けましょう。
ペキックスは、ペキニーズとダックスフンドを親に持つミックス犬です。ほかの組み合わせ以上に、ダックスフンド側のサイズや被毛タイプを確認しておきたいミックスといえます。
ダックスフンドには複数のサイズがあり、さらにスムースヘアード、ワイアーヘアード、ロングヘアードという異なる被毛タイプがあります。そのため、「ダックスフンドとのミックス」という情報だけでは将来像を十分に判断できません。
見た目では、ダックスフンドの低い体高や長めの胴、ペキニーズのコンパクトな体つきなどが参考になります。ただし、ペキックスが必ず胴長短足になるわけではなく、胴や脚のバランスには個体差があります。
被毛についても、ダックスフンド側がどの被毛タイプなのかによって参考にできる特徴が変わります。さらに、ペキニーズの長い被毛の特徴も加わるため、毛の長さや質感、抜け毛量には幅があります。
性格では、ダックスフンドは友好的で落ち着きがあり、情熱的で辛抱強いとされています。ペキニーズ側の性格傾向も参考になりますが、組み合わせだけから個体の性格を固定的に判断することはできません。
ペキックスを検討する場合は、「ダックスフンド」とだけ確認するのではなく、父犬または母犬がどのサイズ・被毛タイプなのかまで確認すると、成犬時の姿を考える材料が増えます。

ペキニーズのミックス犬を選ぶときは、ミックス名から成犬時の姿を想像するだけでなく、実際の父犬・母犬と子犬自身を確認することが重要です。
まず確認したいのが両親の体格です。純血種の犬種標準は参考になりますが、ミックス犬の成犬時の体重を決める基準ではありません。父犬・母犬の現在の体重や体格を確認したほうが、その子の将来像を考える具体的な材料になります。
性格についても、犬種紹介だけで判断せず、可能であれば親犬の普段の様子や子犬自身の人・犬への反応を確認しましょう。親犬種の性格傾向を知ることは役立ちますが、それだけで個体の性格を予測することはできません。
被毛については、両親の毛の長さや毛質、毛量も確認しておきたいポイントです。特にペキニーズは厚い被毛を持つため、もう一方の親犬種によっては、成犬時に想定以上のブラッシングや被毛管理が必要になることもあります。
また、販売者から「成犬時は○kg程度」と説明された場合は、どのような根拠から予測しているのかも確認しましょう。父犬・母犬や過去の同じ組み合わせの子犬など、具体的な材料に基づいた説明なのかを確認すると判断しやすくなります。
ペキニーズは短頭種であり、組み合わせによっては短いマズルが強く表れることがあります。短頭形質が目立つ子では、安静時でも呼吸音が強くないか、軽い運動後の呼吸が極端に苦しそうではないかなど、普段の呼吸状態も確認しておきたいポイントです。
ただし、見た目や呼吸音だけでBOASなどの病気を自己判断することはできません。呼吸について気になる様子がある場合は、迎える前を含めて獣医師へ相談すると安心です。
「ミックス犬だから純血種より健康」「遺伝性の病気が少ない」と考えるのも適切ではありません。健康状態はミックスか純血種かだけでは判断できないため、両親の健康状態や子犬自身の診察・健康管理について確認しましょう。
価格についても、ミックス名だけで高い・安いを判断するのではなく、掲載時期や販売者、月齢、販売条件などを確認する必要があります。組み合わせごとに十分な市場データがない場合は、少数の販売例から平均相場を判断しないことが大切です。

ペキニーズの代表的なミックス犬には、ペキプー、ペキチワ・チワペキ、ポメペキ・ペキポメ、ペキパグ、ペキズー、マルペキ・ペキマル、ペキックスなどがあります。
それぞれの親犬種を知ることで、成犬時の見た目や体格、性格、被毛を考える手がかりは得られます。ただし、同じ組み合わせなら同じ特徴になるわけではありません。
「ペキプーだから抜け毛が少ない」「ペキチワだから○kgになる」「ミックス犬だから健康」といった決めつけは避け、実際の父犬・母犬と子犬自身を確認することが大切です。
特に成犬時の大きさを知りたい場合は両親の体格、被毛管理を考える場合は両親の毛質や毛量が参考になります。短いマズルが目立つ子では、普段の呼吸状態にも目を向けましょう。
見た目や価格だけで選ぶのではなく、将来の体格、必要な被毛管理、健康状態なども含めて確認し、その子と家庭の生活が無理なく合うかを考えたうえで迎えることが重要です。