ペキニーズは抜け毛が目立ちやすい

床の上のブラシと抜け毛の塊を見つめるペキニーズ

ペキニーズには抜け毛があり、特に季節的な換毛が起こる時期には、普段より抜ける毛が増えて目立つことがあります。

そのため、「ほとんど毛が抜けない犬種」をイメージして迎えると、床や衣類に付く毛の量が多く感じるかもしれません。日頃から抜け毛を取り除くお手入れを続けることが大切です。

ただし、犬種ごとの抜け毛量を一定の方法で測定し、ペキニーズが何番目に多いと示した公式な基準があるわけではありません。

抜け毛の量には個体差もあるため、「すべてのペキニーズで非常に大量に抜ける」と考えるのではなく、普段の状態と換毛時期の変化を見ながら管理していきましょう。

ペキニーズの抜け毛が目立ちやすい理由

地面に伏せているペキニーズ

ペキニーズは、ほどよく長いまっすぐで粗い上毛と、その内側にある厚く柔らかな下毛を持つダブルコートの犬種です。ダブルコートとは、性質の異なる2層の被毛を持つ構造を指します。

特に下毛は季節的な被毛の生え変わりに伴って抜けやすく、抜けた毛が長い上毛の間に残ることもあります。

また、耳や尾、脚などには長い飾り毛があります。抜けた毛をそのままにしていると周囲の毛と絡み、もつれや毛玉につながることがあるため、定期的に取り除くことが重要です。

ただし、ダブルコートだから必ずほかの犬種より多く抜けるとは限りません。被毛の長さだけで実際の抜け毛量を判断することもできないため、被毛構造は「抜け毛が目につきやすく、管理が必要になる理由」のひとつとして考えるとよいでしょう。

ペキニーズの抜け毛が増えやすい時期

野花が咲く原っぱに座っているペキニーズ

ペキニーズには季節的な換毛があり、季節の変化に合わせて普段より多くの毛が抜けることがあります。

一般に季節性の換毛がある犬では、寒い時期の被毛から暖かい時期の被毛へ移り変わる春や、冬に向けて被毛が変わる秋などに、抜け毛が増えやすくなります。

いわゆる「夏毛」「冬毛」への生え変わりに伴う自然な変化ですが、ペキニーズは必ず年2回だけ換毛する、あるいは毎年決まった月から数週間だけ大量に抜けるという意味ではありません。

実際に抜け毛が増える時期や量には個体差があるため、カレンダー上の時期よりも、愛犬の普段の毛量や抜け方との違いを確認することが大切です。

また、子犬では成長とともに、子犬らしい被毛から成犬の被毛へ変化する過程でも毛が抜けることがあります。これは成犬の季節的な換毛とは別の変化であり、ペキニーズの特定の月齢にのみ起こると決まっているわけではありません。

ペキニーズの抜け毛対策とお手入れ方法

頭に泡をのせてタオルに包まれているペキニーズ

ペキニーズの抜け毛対策では、毛の生え変わりそのものを止めるのではなく、すでに抜けた毛を適切に取り除くことが基本です。

特に長い被毛の内側に抜け毛が残ると、もつれや毛玉につながることがあります。ブラッシングを中心に、必要に応じてシャンプーやトリミングを組み合わせて被毛を管理しましょう。

室内では、床や布製品に付いた毛をこまめに掃除するだけでも飛散を抑えやすくなります。特別な用品をそろえることより、被毛側と室内側の両方を継続的に管理することが重要です。

ブラッシングで抜けた毛を取り除く

ペキニーズの普段のブラッシングは、週に数回程度をひとつの目安にできます。ただし、換毛期や毛量、もつれ具合によって必要な頻度は変わります。

毛が多く抜けている時期には、いつもよりこまめに状態を確認し、被毛の内側に残った抜け毛を取り除くとよいでしょう。

ブラッシングには、室内へ落ちる毛を減らすだけでなく、長い被毛の絡まりや毛玉を防ぐ役割もあります。特に耳の後ろや脚まわりなど、毛が擦れたり絡んだりしやすい部分は丁寧に確認します。

もつれた毛を無理に引っ張ると皮膚に負担がかかるため、少しずつやさしくほぐすことが大切です。毛玉が広範囲にできている場合など、自宅で安全に処理しにくいときはトリマーに相談しましょう。

シャンプーとドライで被毛を清潔に保つ

シャンプーも被毛管理に役立ちますが、抜け毛の発生そのものを止める方法ではありません。洗浄によって汚れや浮いた毛を取り除きやすくする、補助的なお手入れと考えましょう。

健康な犬では、汚れやにおいなど被毛の状態に応じて洗うのが基本です。必要以上に頻繁なシャンプーは皮膚の乾燥や刺激につながることがあるため、頻度を固定化しすぎる必要はありません。

ペキニーズは被毛が長く密なため、洗った後は表面だけでなく、内側に湿り気が残っていないか確認しながら十分に乾かします。

皮膚の治療などで獣医師から薬用シャンプーを処方されている場合は、一般的なお手入れ方法ではなく、使用する製品や頻度について獣医師の指示に従ってください。

トリミング・カットだけでは抜け毛はなくならない

ペキニーズの毛を短くカットしても、毛の生え変わりそのものが止まるわけではありません。そのため、短くすれば抜け毛がなくなるというわけではなく、ブラッシングなどの被毛管理は引き続き必要です。

特にダブルコートを皮膚が見えるほど極端に剃ることを、単純な抜け毛対策として行うのは避けたほうがよいでしょう。被毛には、皮膚を外部の刺激から守る役割もあります。

また、上毛と下毛では毛の生え方や成長速度が同じとは限りません。短く刈った後、元の状態に近づくまで時間がかかったり、一時的に毛の生え方や質感が違って見えたりする場合があります。

必ず元の被毛に戻らなくなるという意味ではありませんが、抜け毛を減らす目的だけで大幅に短くする前に、被毛の状態を理解しているトリマーなどへ相談すると安心です。

抜け毛が急に増えたときのチェックポイント

獣医師に触診されているペキニーズ

換毛の時期には、普段より多くの毛が抜けることがあります。ブラッシングをするとまとまった毛が取れる場合でも、被毛全体が保たれ、皮膚に異常がみられなければ自然な生え変わりの範囲であることがあります。

一方で、地肌がはっきり見えるほど毛量が減っている場合や、特定の場所だけ毛が抜けて部分的な円形脱毛ができている場合は、通常の換毛だけとは限りません。

赤み、強いかゆみ、かさぶたなど皮膚の変化を伴っているときや、抜け毛が増えた状態が続く、薄毛の範囲が広がっているといった場合も注意が必要です。

犬の脱毛にはさまざまな原因があり、見た目だけから飼い主が病名を判断することはできません。「換毛期だから」と決めつけず、普段とは明らかに異なる抜け方や皮膚の変化がある場合は獣医師へ相談しましょう。

まとめ

ブラッシング中のペキニーズ

ペキニーズには抜け毛があり、特に季節的な換毛の時期には普段より毛が抜けて目立つことがあります。長い上毛と厚い下毛を持つダブルコートのため、抜けた毛を被毛の中に残さない管理も大切です。

基本となる抜け毛対策は、週に数回程度を目安としたブラッシングです。換毛期や毛量、もつれ具合に応じて頻度を調整し、シャンプーやトリミングも必要に応じて取り入れましょう。

毛を短くカットしても生え変わり自体は続くため、カットだけで抜け毛がなくなるわけではありません。極端に短く剃ることを安易な抜け毛対策にするのも避けましょう。

また、地肌が見えるほど毛が薄くなったり、部分的な脱毛や赤み、強いかゆみなどがみられたりする場合は、通常の換毛と決めつけないことが重要です。日頃のお手入れと同時に普段の被毛や皮膚の状態を把握しておくと、変化にも気づきやすくなります。