
猫にエビやカニなどの甲殻類を食べさせるのは避けてください。加熱済みで味付けがなく、殻を除いた身を少量食べたからといって、必ず中毒を起こすわけではありません。
しかし、生食や殻の誤飲、調味料による影響、アレルギーなど様々なリスクが存在するため、家庭では与えない方針をとるのが安全です。

エビは生の状態で与えると消化に悪く、栄養障害の原因となる成分が含まれていることがあります。また、人間用に調理された加熱品であっても、塩分や調味料が使用されている場合が多く猫には不適切です。
カニもエビと同様に、生で与えるのは危険です。鋭い爪や硬い殻は口の中や消化管を傷つける危険性があり、加工品の爪つきのカニなどは喉に詰まらせるリスクも高まります。
伊勢エビやロブスターは殻が非常に硬く厚いため、万が一噛み砕いて飲み込むと胃腸を鋭く傷つける恐れがあります。高級食材であっても猫の体には負担となるため与えないでください。
シャコも甲殻類の一種であり、硬い外骨格や鋭い部分を持っています。生のシャコには寄生虫や細菌のリスクもあり、猫にとって安全な食べ物ではありません。
オキアミやアミエビは小ぶりですが、塩分濃度が高い状態で販売・加工されていることが多くあります。小さな体であっても塩分の過剰摂取につながるため、猫に与えるのは避けてください。
淡水に生息するザリガニは、肺吸虫などの寄生虫や病原性微生物を保持しているリスクが非常に高い甲殻類です。猫が誤って捕食したり遊んだりしないよう注意が必要です。

生の甲殻類には、サルモネラ菌やビブリオ菌などの細菌、または寄生虫が付着している可能性があります。
これらを猫が摂取すると、激しい嘔吐や下痢などの消化器症状を引き起こす原因になります。
一部の生の水産物には、ビタミンB1を分解する酵素であるチアミナーゼが含まれています。
生の魚介類や一部の甲殻類を継続して与えると、体内のビタミンB1が不足し、ふらつきや麻痺などの神経症状を起こすリスクがあります。
甲殻類の殻や脚、爪は非常に硬く鋭利です。猫が飲み込むと、口の中や食道、胃や腸の粘膜を傷つけたり、消化管に詰まって閉塞を引き起こしたりする恐れがあります。
甲殻類に含まれるタンパク質に対して、猫がアレルギー反応を示すことがあります。また、猫の体質によっては甲殻類のタンパク質をうまく消化できず、下痢や軟便の原因になることもあります。
人間用に調理された甲殻類料理には、塩、醤油、香辛料など多くの調味料が使われています。過剰な塩分は猫の腎臓や心臓に大きな負担をかけ、健康を損なう原因となります。
甲殻類を日常的に与えてしまうと、猫に必要な栄養のバランスが崩れてしまいます。本来食べるべきフードを食べなくなり、栄養不全に陥る可能性があるためおやつとしても不適切です。

タンパク質は猫の筋肉や体を構成するために必須の栄養素です。しかし、甲殻類のタンパク質は消化しにくい場合があり、猫の主栄養源としては総合栄養食の肉や魚のほうが適しています。
タウリンは猫の目や心臓の健康維持に必要なアミノ酸の一種です。甲殻類にも含まれますが、猫用に作られた総合栄養食をしっかり食べていれば、甲殻類から補う必要はありません。
ビタミンB12は赤血球の形成や神経系の働きを助ける成分です。栄養素としては有用ですが、キャットフードに必要な分量が含まれているため、あえて甲殻類から摂取させる意味はありません。
カルシウムや亜鉛などのミネラルは体調を整える役割があります。ただし、特定のミネラルを過剰に摂取すると結石のリスクなどを高める場合があるため、バランスの調整されたフードが一番です。
エビやカニの赤色のもとであるアスタキサンチンは抗酸化作用を持つ色素成分です。人に対しては様々な健康効果が知られていますが、それをそのまま猫に当てはめて与えるべきではありません。

カニカマは主に魚のすり身で作られていますが、人間用の製品は塩分や着色料、香料が多く含まれています。甲殻類そのものではなくても、猫に与えるのは絶対にやめましょう。
干しエビや桜エビは乾燥させることで栄養や塩分が凝縮されています。また、硬い触角や尾が口の中や食道に刺さる危険性もあるため、料理のトッピングなどであっても与えてはいけません。
人間用のお菓子には、塩分や油分、さらには添加物が使用されています。猫の消化器官にとって大きな負担となり、肥満や胃腸障害の原因となるため厳禁です。
生の甲殻類を使用した寿司や刺身は、生食による寄生虫や細菌のリスクが直接及びます。さらに寿司飯に使われる酢や砂糖、調味料も猫の体には不適切です。
甲殻類の出汁やスープにはエキスだけでなく大量の塩分や旨味調味料が溶け出しています。また、玉ねぎや長ねぎ、にんにくなどのネギ類と一緒に煮込まれたスープは、加熱や粉末であっても猫に中毒を引き起こすため非常に危険です。

猫用に製造された総合栄養食や猫用おやつの原材料に甲殻類が含まれている場合、それらは安全に配慮して加工・加熱されているため問題ありません。甲殻類が原材料に含まれていることだけを理由に、キャットフードを危険と判断する必要はありません。
ただし、猫用に加工された製品であっても、総合栄養食はパッケージに記載された表示給与量を守り、猫用おやつは与えすぎないように管理しましょう。また、過去に甲殻類を含んだフードを食べた後に皮膚のかゆみや消化器の症状が出たことがある猫には、与えないようにしてください。

甲殻類の消化不良や寄生虫、細菌の影響により、食べた直後から数日以内に嘔吐や下痢を起こすことがあります。何度も繰り返す場合は脱水症状のリスクも高まります。
体に不調を感じたり、胃腸に炎症が起きたりすると、猫は食欲をなくし丸くなって動かなくなることがあります。普段と比べて元気がなくぐったりしている場合は警戒が必要です。
食物アレルギー反応として、皮膚に赤みが出たり体をかゆがって頻繁に引っ掻いたりすることがあります。耳の周りや背中などに発疹が出る場合もあります。
アレルギー症状が重度の場合、顔や口の周りが大きく腫れ上がったり、息苦しそうに呼吸が荒くなったりすることがあります。アナフィラキシーショックの可能性もあるため危険です。
硬い殻や脚、爪などが口の中や食道に刺さっていると、口を気にして大量のよだれを垂らしたり、食べ物を飲み込めなくなったりすることがあります。
大きめの殻や爪を誤飲すると、腸の中に詰まって消化管閉塞を起こすリスクがあります。お腹を触られるのを嫌がって痛がったり、便が出なくなったりした場合は緊急性が高い状態です。

誤食に気づいたら、まず何を、どの部位(身、殻、脚など)、どれくらいの量、いつ食べたのかを可能な範囲で確認してください。動物病院を受診する際の大切な情報になります。
食べたものが生の甲殻類なのか、しっかり加熱されたものなのかを確認します。生食の場合は寄生虫や細菌感染のリスクが高まるため、経過観察の重要性が変わります。
人間用に調理された料理の場合、使用されていた調味料や他の食材を確認します。特に玉ねぎやにんにくなどのネギ類が含まれていたかどうかは極めて重要な確認項目です。
猫の口の中を安全に確認できる場合は、鋭い殻や爪が刺さったり挟まったりしていないかチェックします。嫌がる場合は無理に口を開けず、そのまま怪我を防ぐ対応を優先します。
誤食が判明した時点や、体調に変化が見られた場合は速やかに動物病院へ連絡し指示を仰ぎましょう。殻や爪の飲み込み、ネギ類を含む料理の摂取、顔の腫れや呼吸異常、繰り返す嘔吐がある場合は早急な受診が必要です。飼い主の自己判断で無理に吐かせたり、牛乳、塩水、オキシドールなどを飲ませたりすることは絶対にやめてください。

家庭で猫にエビやカニなどの甲殻類を食べさせるのは避けましょう。生の甲殻類や硬い殻付きのもの、味付けされた人間用の料理や加工品は、細菌や寄生虫、消化管のケガ、塩分過剰など様々な危険を伴います。
一方で、甲殻類を原材料に含む猫用キャットフードは安全に加工されているため分けて考えましょう。万が一誤食した際は、食べた種類や量、状態を確認し、速やかに動物病院へ相談してください。