ブラッドハウンドとは

浜辺でどこかを見つめるブラッドハウンド

ブラッドハウンドは、ベルギーのアルデンヌ地方を原産国とする大型の嗅覚ハウンドです。

非常に優れた嗅覚と豊かな持久力を備えており、古くから猟犬や足跡を追う追跡犬として発達してきました。

海外では警察機関や捜索隊に所属し、わずかな人のにおいを手掛かりに行方不明者を探す警察犬や捜索犬としても長く活躍しています。

長い垂れ耳や頭部に刻まれた深いしわ、重厚感のある体格から、一見すると少し怖そうに感じられることもあります。しかし、実際の性格は非常に穏やかで、家族や人間との温かいスキンシップや結びつきを好む優しい犬種です。

日本国内における流通数は大変少なく、家庭へ迎える際には専門の入手先を探したり、大型犬を無理なく育てられる飼育環境を整えたりすることが欠かせません。

ブラッドハウンドの性格

芝生の上で伏せているブラッドハウンド

ブラッドハウンドの性格は、基本的に非常に穏やかで愛情深く、人に対してフレンドリーに接することができます。

大きな体や顔の深いしわによって威圧感を与えることもありますが、外見の印象だけで攻撃的な犬だと判断することはできません。

一方で、ひとたび気になるにおいを見つけると、飼い主の指示よりも臭跡の追跡を優先してしまう強い粘り強さと独立心を持ち合わせています。そのため、場面によっては指示を聞かずにマイペースで頑固な反応を示しているように見えることもあります。

子どもや先住犬、猫などの同居ペット、あるいは来客に対しても基本的には好意的に接しますが、甘えん坊な一面があるため留守番は少し苦手とする傾向があります。

突発的に大きな声で吠えることは少ないものの、においに夢中になった際の行動には注意が必要です。

初めて犬を飼う初心者が迎える場合は、その体格と嗅覚の強さをしっかりと制御する心構えが求められます。

なお、これらは犬種全体に見られる一般的な傾向であり、実際の性格は個体差や幼少期の社会化、どのような環境で育てられたかによっても大きく変化します。

ブラッドハウンドの特徴

横向きに立っているブラッドハウンド

ブラッドハウンドの外見における最大の特徴は、しっかりとした骨量と筋肉に守られた重厚で堂々とした身体つきです。

頭部や首元には柔らかくたるんだ皮膚が集まり、深くて特徴的なしわを形成しています。頭の横には長く幅の広い垂れ耳が位置しており、口元も柔らかく垂れ下がっています。

こうした特徴的な容姿だけでなく、犬全体の中でもトップクラスとされる並外れた嗅覚と、一つのにおいをどこまでも追い続ける集中力を誇ります。

さらに、長距離の捜索や追跡にも耐えうる圧倒的な持久力も、この犬種を深く理解する上で欠かせない要素です。

古くから猟犬として培われてきたこれらの素晴らしい能力は、現代においても警察犬や災害捜索犬としての信頼される活動へとつながっています。

家庭で飼育する際には、お散歩の最中に気になるにおいに夢中になると強力な力で引っ張ることがあります。これが地面にあるものの拾い食いや、思いがけない迷子、敷地からの脱走につながるおそれがあるため、日頃からの注意が必要です。

ブラッドハウンドの大きさ

体高や体重の数値を考える際は、ジャパンケネルクラブが定める犬種標準が大きな基準となります。

理想的な体高はオスで68cm、メスで62cmとされており、体重はオスがおよそ46kgから56kg、メスがおよそ40kgから48kgに達します。

子犬の時期から成犬へと成長するにつれて一気に骨太になり、室内で過ごす際も圧倒的な存在感を発揮します。

お散歩の時には大人でもよろめくほどの強いパワーを発揮するため、飼い主側にはしっかりとした制御力が求められます。

自家用車への乗せ降ろしや動物病院への通院、さらにシニア期に入った際の介護まで見据え、超大型の愛犬と暮らす現実的な準備をしておく必要があります。

ブラッドハウンドの被毛タイプ

ブラッドハウンドの被毛は、体にぴったりと密着して生えている短くて密なスムースコートと呼ばれるタイプです。

胴体部分の毛は比較的しっかりとした硬さを持っていますが、頭部や長い耳の表面を覆う毛は非常に柔らかい手触りをしています。

ゴールデン・レトリバーのような長毛種と比べると毛玉ができる心配はありませんが、抜け毛が全くないわけではないため定期的なブラッシングが必要です。

短毛であっても皮脂の分泌が多く、よだれや皮膚のしわの隙間、密閉されやすい長い耳の中に汚れや湿気がたまりやすくなります。

放置すると体臭の発生や皮膚トラブルの原因となるため、決して手入れが不要な犬種ではないことを理解しておきましょう。

ブラッドハウンドの毛色の種類

毛色の代表的なバリエーションとしては、ブラック・アンド・タン、レバー・アンド・タン、そしてレッドの3種類が知られています。

ブラックの色彩が背中全体を広く覆っている個体もいれば、まるで馬の鞍を乗せているかのように部分的に見られる個体もいます。

レッドの毛色に関しても、全体的に明るい色合いから深みのある濃い赤褐色まで個体によって様々な幅が存在します。

中には、胸元や足の先、あるいは尾の先などにほんの少量の白い毛が混ざって見られるケースもあります。

また、日光の当たり具合や写真の写り方によって、黒や茶色、赤褐色の見え方が微妙に変化することもあります。

毛色の違いによって性格や健康状態、子犬の販売価格や価値が左右されることはありませんので、それぞれの個性の美しさを楽しむことが大切です。

ブラッドハウンドの価格相場

並んで伏せる2頭のブラッドハウンドの子犬

ブラッドハウンドの子犬を迎える際、その価格や相場には様々な要因が関係してきます。

前提として、日本国内では日常的にたくさんの子犬が誕生して販売されている犬種ではないため、少数の例だけから一律の価格相場を断定することはできません。

血統の良さや月齢、性別はもちろんのこと、親犬が残してきた実績や健康診断の結果によって金額が大きく変動します。

さらに、国内で計画的にブリーディングされた子犬か、海外から輸入された子犬かによっても価格差が生じます。海外からの輸入になる場合は、生体の価格に加えて現地の輸送費や空港での検疫手続き費用などが上乗せされることになります。

検討する際は生体価格だけでなく、大型犬用の頑丈なケージやベッド、車載用ケージ、毎月消費するプレミアムフード代も考慮しましょう。

あわせて高額になりがちな医療費やペット保険料、ドッグトレーナーによるトレーニング費用なども含めた総合的な資金計画が必要です。

ブラッドハウンドのブリーダーを探す方法

ブラッドハウンドを家族に迎えるためには、国内のブリーダーや犬種団体、子犬の販売情報ポータルサイトなどを経由して探していくのが一般的です。

国内の流通量が極めて少ない犬種であるため、探してすぐに販売中の子犬が見つからないことも珍しくありません。ブリーダーへ直接コンタクトを取り、次回の出産予定を問い合わせたり事前予約を行ったりしながらじっくり待つ姿勢が求められます。

犬舎の見学へ行く際には、親犬の健康状態や普段の性格を確認するだけでなく、股関節や肘関節、目の遺伝的疾患の検査を受けているか確かめましょう。

飼育環境が清潔に保たれているか、幼少期に適切な社会化が行われているか、ワクチン接種や健康診断、血統書の発行手続き、引き渡し後のフォロー体制も重要なチェックポイントです。

相場から極端に安く販売されている場合や、親犬や飼育環境を見せてもらえない場合、健康状態の説明が曖昧で契約を急かすケースには十分注意してください。

もし保護犬や里親として探す場合は、募集されること自体が極めて稀であるため、見つかった際には体重や病歴、散歩時の引っ張りや脱走癖、留守番や子どもとの相性を細かく確認します。

海外のブリーダーから直接輸入する場合は、長距離輸送が子犬に与える負担を考慮しつつ、マイクロチップの装着や狂犬病ワクチンの接種、検疫関連書類の準備を抜かりなく進める必要があります。

ブラッドハウンドの飼い方

リードを着けて外出しているブラッドハウンド

ブラッドハウンドと家庭で快適に暮らしていくためには、居住環境や日常の食事管理、脱走対策などを万全にする必要があります。

大型で非常にパワーがあり、お散歩中に一度興味のあるにおいを見つけると周囲の状況が見えなくなってしまうことがあります。

そのため、頑丈な素材で作られたリードや体にフィットして抜けにくいハーネスを用意し、庭には頑丈で十分な高さのある柵を設置しましょう。

玄関や門扉を開けた隙に外へ飛び出してしまう危険を防ぐため、室内側にも二重のフェンスなどを設けることが推奨されます。

室内空間においては、大きな体が無理なく転がれる広さを確保し、関節への負担を軽減するために滑りにくい床材を敷き詰めます。

もし集合住宅で飼育する場合は、大型犬の飼育許可が出ているか、規約上の体重制限を超えていないかを事前に確認してください。エレベーターや共用廊下でのスムーズな移動計画をはじめ、大きな鳴き声や大量のよだれ、床や壁の汚れに対する配慮も必要です。

日本の夏は非常に高温多湿となるため、室内エアコンによる24時間の温度管理とお散歩時間の調整による熱中症対策が絶対に欠かせません。

ブラッドハウンドの運動量

ブラッドハウンドは大型で高い持久力を誇るハウンド犬種ですので、毎日の十分な運動量が欠かせません。

毎日朝晩にそれぞれ60分以上の十分な時間を確保してお散歩を行い、長距離のウォーキングを取り入れてあげることが基本となります。

ただ単に長い距離を歩かせるだけでなく、お散歩の途中で安全ににおいを嗅がせたり、庭や室内でノーズワークや追跡遊びを取り入れたりするのが効果的です。自慢の鼻を使って頭と体を同時にフル活用させる活動を提供することで、心身ともに深い満足感を得ることができます。

もし日常的な運動量が不足してしまうと、肥満を招くだけでなくストレスが溜まり、家の中での落ち着きがなくなったり、破壊行動や無駄吠えにつながったりします。

ただし、体が急激に大きくなる成長期の子犬に対して過度な運動を強いると、骨や関節を傷める原因になります。

食直後の激しい運動も健康上のリスクが高まるため避け、年齢や体調、関節の状態に合わせて運動量を柔軟に調節してください。

ブラッドハウンドのしつけ方

ブラッドハウンドのトレーニングにおいては、子犬の時期からの徹底した社会化が極めて重要な意味を持ちます。

幼い頃から様々な人やほかの犬、自動車の走行音、生活の雑音、来客、動物病院の雰囲気に慣れさせておくことで、成長後のトラブルを防げます。

大型犬として生活する上で優先したい項目は、飼い主の横を落ち着いて歩くリード歩行、呼び戻し、待て、引っ張りや飛びつきの防止、拾い食いや飛び出しの抑制です。

気になる臭跡を見つけると意識がにおいに集中し、飼い主の声や指示が届きにくくなる特性を持っています。万が一の事故を防ぐためにも、安全が完全に確保されたドッグランなどの場所以外では絶対にリードを外さないように徹底しましょう。

力づくで強引に抑え込もうとすると頑固になって反発するため、指示は短くシンプルに伝え、出来た時にしっかり褒める報酬ベースの一貫したルールで教えていきます。

コントロールに不安を感じた場合は放置せず、大型犬や嗅覚ハウンドの特性に詳しい専門のドッグトレーナーへ早めに相談することをおすすめします。

ブラッドハウンドのケア方法

日々のお手入れとしては、ブラッシング、シャンプー、耳掃除、目元や歯のケア、爪切り、そして皮膚のしわや口元の衛生管理が必要です。

長く垂れ下がった耳は、ごはんのお皿や地面の汚れに触れやすく、耳の穴の中が蒸れて湿気がこもりやすい構造をしています。定期的に耳の中をチェックし、内部に赤みや大量の耳垢、かゆがる仕草、強いにおいがないかを確認してください。

顔や首元にある皮膚の深いしわ、垂れ下がった口元にはよだれや水分がたまりやすいため、こまめに柔らかいタオルで拭き取り、湿気を残さないことが重要です。

また、少し垂れ下がったまぶたを持ちやすいため、目の充血や目やにが出やすくなっていないか、目を気にしてこすっていないか観察しましょう。

よだれや皮脂による室内へのにおい移りを防ぐには、吸水性の高いマット、洗えるクッションカバー、口元拭き用のタオル、食器まわりの防水シートが重宝します。

体が大きくなってからケアを嫌がると大変ですので、子犬の頃から耳や口の周り、足先などを嫌がらず触らせてくれるよう慣らしておきましょう。

ブラッドハウンドの寿命と病気

床に伏せて眠るブラッドハウンドのアップ

ブラッドハウンドの平均寿命はおよそ10年前後とされていますが、個体の体質や生活環境によって差が生じます。

目安としての数字を一律の寿命として思い込まず、日頃のケアによって愛犬の健康維持を目指すことが大切です。

大型犬としての健康を長く保つためには、過度な体重増加を防ぐための適正体重の維持や、関節へ負担をかけない生活環境の整備が求められます。

毎日のバランスの取れた食事管理をはじめ、耳や目、皮膚のしわ、口の中の清潔を保ち、定期的な健康診断を受けることが欠かせません。

特に食直後の激しい運動を避ける習慣をつけ、お腹が異常に膨らんでいないかといった身体の急変を見逃さない観察力が求められます。

単に寿命の数字を気にするだけでなく、信頼できるブリーダーから親犬の健康情報を確認し、日常のスキンシップを通じて病気の早期発見に努めましょう。

ブラッドハウンドのかかりやすい病気

大型で骨太な体格や、長くて大きな垂れ耳、頭部や首元にできる深いしわといった身体的特徴から、発生しやすいトラブルや注意したい病気がいくつか存在します。

股関節形成不全

股関節形成不全は、太ももの骨と骨盤をつなぐ関節のかみ合わせがうまくいかず、歩行に支障をきたす大型犬に多く見られる骨関節疾患です。

発症すると、後ろ足をかばうように横揺れしながら歩いたり、腰を振るような独特の歩き方を見せたり、立ち上がる動作を嫌がる様子が見られるようになります。

散歩の途中で頻繁に座り込む、階段や段差の移動をためらうといった行動が目立ち始めたら、早めに動物病院で触診やレントゲン検査を受けてください。

予防や管理においては、成長期に急激な体重増加をさせない適切な食事管理と、関節に余計な負担をかけないようフローリングに滑り止めマットを敷く工夫が効果的です。

胃拡張・胃捻転症候群

胃拡張・胃捻転症候群は、何らかの原因で膨らんだ胃が体内でねじれてしまい、周囲の血管や器官を圧迫して短時間でショック状態に陥る急性の病気です。

食後に急速にお腹がパンパンに膨れ上がり、繰り返し吐く仕草をするものの何も吐き出せず、呼吸が荒くなって苦しそうにぐったりするのが典型的な変化です。

進行が極めて早く命にかかわるため、食後に少しでもこうした様子が確認された場合は、夜間や休日であっても迷わず即座に緊急対応が可能な動物病院へ連絡して受診してください。

日常の管理では、ドッグフードのドカ食いや早食いを防ぐ工夫をし、食後1〜2時間は静かに休ませて激しい運動や散歩を絶対に避けることが極めて重要です。

眼瞼内反症・眼瞼外反症

眼瞼内反症や眼瞼外反症は、目元の皮膚のたるみやまぶたの構造によって、まぶたが内側に入り込んだり外側に垂れ下がったりしてしまう状態です。

内反するとまつ毛が角膜を刺激して痛みや涙、目やにを引き起こし、外反すると露出した眼球にゴミが入りやすくなって、角膜炎や結膜炎を起こしやすくなります。

頻繁に前足で目をこすろうとしたり、目が赤く充血していたり、涙や目やにが異常に多く出ている場合は、目を傷つける前に獣医師の診察を受ける必要があります。

日頃から目元の状態を観察し、目やにや涙がたまっている時は清潔な濡れガーゼやコットンで優しく拭き取り、目元を清潔に保つお手入れを心がけましょう。

外耳炎

外耳炎は、耳の入口から鼓膜までの耳道と呼ばれる部分に炎症が起きる皮膚トラブルで、通気性の悪い垂れ耳を持つ犬種で特に多く発生します。

発症すると耳の穴の中から独特の強いにおいが漂うようになり、黒や茶色の湿った耳垢が大量にたまったり、耳の粘膜が赤く腫れて強いかゆみが生じたりします。

頭を激しく左右に振ったり、後ろ足の爪で耳の周囲をしつこく掻きむしったりする行動が見られたら、悪化して慢性化する前に動物病院で耳の洗浄や投薬治療を行ってください。

日頃のケアとしては、定期的に耳の汚れやにおいをチェックし、シャンプー後や水遊びの後は耳の根元や内側に湿気を残さないよう、優しく拭き取って乾燥させることが大切です。

ブラッドハウンドに似た犬種

芝生の上に立っているバセット・ハウンド

ブラッドハウンドはその印象的な長い垂れ耳や、たるみのある皮膚、どこか物憂げに見える表情から、ほかのハウンド犬種と混同されることがあります。

しかし外見上の雰囲気が似ていても、実際の体格の大きさや必要な運動量、飼育するために必要な環境には大きな違いが存在します。

愛犬を迎える際には見た目の好みだけで選ぶのではなく、ハウンド犬種としての性質やお手入れにかかる負担の違いをよく把握しておく必要があります。

バセット・ハウンドとの違い

バセット・ハウンドは、長い垂れ耳や顔のたるんだ皮膚、鋭い嗅覚を持つ点においてブラッドハウンドと非常によく似ています。

最大の違いはその体格と脚の長さにあり、バセット・ハウンドは胴長短足で体高が非常に低いのに対し、ブラッドハウンドは脚が長く全体的に一回り以上巨大です。

比較項目 ブラッドハウンド バセット・ハウンド
体高 約62〜68cm(大型犬) 約33〜38cm(中型犬)
体重 約40〜56kg 約20〜29kg
体格の特徴 脚が長く高身長で重厚 脚が短く低重心で胴長
運動量と制御力 長距離の運動と強力なパワー制御が必要 中程度の運動量で段差配慮が必要

お散歩の際に必要となる飼い主側の制御力や毎日の運動量、家の中で必要となる生活スペースの広さには明確な差があります。

さらに、毎月の食費や将来的に必要となる介護の負担に関しても、体重が40kg以上になるブラッドハウンドの方が遥かに大きくなります。

一方で、気になるにおいに強い関心を示す点や、マイペースで頑固に見える行動パターン、耳や皮膚のしわのこまめな手入れが必要な点は共通しています。

ブラッドハウンドの歴史

地面の匂いを嗅いでいるブラッドハウンド

ブラッドハウンドの歴史は古く、ベルギーのアルデンヌ地方に存在したサン・テュベール修道院で大切に飼育されていた大型ハウンドが祖先とされています。

修道士たちによって熱心に血統が維持されたこの犬たちは、やがてイングランドをはじめとするヨーロッパ各地へと渡り、さらなる発展を遂げました。

元々はシカやイノシシといった大きな獲物を追う猟犬として活躍していましたが、その中で類まれなる嗅覚と集中力、並外れた持久力が育まれました。

やがてその卓越した能力は動物の狩りだけでなく、人間の足跡を遠くまで追いかける追跡犬や捜索犬としての重要な役割へと移っていきました。

犬種名に含まれる「ブラッド」という言葉を聞くと、血のにおいを追いかける危険な犬だと誤解されがちですが、実際はそうではありません。

この「ブラッド」は血統が純粋に保たれてきたこと、つまり「純血のハウンド(Blooded Hound)」であることを示していると伝えられています。

歴史的な背景から、別名として「シアン・ド・サン・テュベール」や「セント・ヒューバート・ハウンド」という名称で呼ばれることもあります。

まとめ

花畑を楽しそうに歩くブラッドハウンド

ブラッドハウンドは、ベルギー原産の歴史ある大型嗅覚ハウンドであり、穏やかで優しい性格と圧倒的な追跡能力を持った非常に魅力的な犬種です。

独特のしわや垂れ耳といった個性的で重厚な外見を持ちつつも、家族に対しては非常に深い愛情を示してくれます。

しかし、非常に強いパワーと卓越した嗅覚を持つ大型犬であるため、毎日の十分な運動やノーズワーク、子犬期からの根気強いしつけが欠かせません。

散歩中の引っ張りや脱走を防止するための対策をはじめ、よだれや耳・皮膚の日常的なケア、高額になりがちな維持費や将来の介護までを想定する必要があります。

日本国内での入手は容易ではありませんが、これらの課題をしっかりと理解し、生涯にわたって愛情と責任を持って向き合える家庭にとって、最高のパートナーとなってくれるでしょう。