
条件付きですが、ししゃもは猫に与えても問題ない食材です。ししゃもには猫の健康維持に役立つ栄養素が含まれているため、適切な方法であればキャットフードのトッピングなどとして活用できます。
ただし、スーパーなどで一般的に販売されている市販のししゃもは塩分が非常に多いため、猫の腎臓や心臓に大きな負担をかけてしまいます。愛猫にししゃもを与える際は、必ず無塩ししゃも(生のまま売られているものやペット用の塩分不使用のもの)を選ぶようにしましょう。

人間用に加工されたししゃもの干物などは、製造過程で多くの塩が使われています。猫は人間ほど効率的に塩分を排出できないため、塩分過多による健康被害を防ぐためにも、必ず無添加・無塩のししゃもを厳選して用意してください。
醤油やみりん、塩などで味付けされたししゃもや、人間のおかずとして調理されたものは絶対に与えないでください。香辛料や調味料の中には、猫の胃腸を刺激したり、中毒を引き起こしたりする成分が含まれているリスクがあります。
ししゃもにはミネラルが豊富に含まれているため、過剰に摂取すると体内のミネラルバランスが崩れ、尿路結石などの原因になることがあります。また、主食であるキャットフードの摂取量を減らさないよう、おやつ程度の量に留めることが重要です。
ししゃもの骨は比較的柔らかいですが、猫の喉や消化管は非常にデリケートです。大きな骨や硬い部分が刺さって粘膜を傷つけたり、消化不良を起こして嘔吐や下痢の原因になったりすることがあるため、事前の適切な処理が必要です。

タンパク質は猫にとって最も重要なエネルギー源であり、筋肉や皮膚、被毛などの健康な体を維持するために欠かせない栄養素です。ししゃもには質の高い動物性タンパク質が豊富に含まれており、猫の健やかな体づくりをサポートします。
カルシウムは丈夫な骨や歯を形成するために必要なミネラルであり、神経伝達や筋肉の収縮をスムーズにする働きも担っています。特にライフステージに合わせた骨の健康維持において、重要な役割を果たす成分です。
DHA(ドコサヘキサエン酸)はオメガ3脂肪酸の一種で、脳の活性化や神経機能の維持に役立つ成分です。網膜の健康維持にも関与しているほか、血液の流れを円滑に保つ効果も期待できるため、猫の健康寿命の延伸に寄与します。
EPA(エイコサペンタエン酸)も同じくオメガ3脂肪酸に分類され、高い抗炎症作用を持つことで知られています。皮膚のバリア機能を健やかに保ち、健やかな被毛の維持を助けるほか、関節の健康を守る効果も期待できます。

生魚には寄生虫や細菌のリスクがあるほか、酵素の一種であるチアミナーゼが含まれており、猫が大量に摂取するとビタミンB1欠乏症を引き起こす恐れがあります。チアミナーゼは加熱によって失活するため、必ず茹でるか焼くなどして芯までしっかり火を通してください。
加熱した後のししゃもは、頭や背骨、尾などの硬い部分を丁寧に取り除いてください。さらに、身の部分を細かくほぐして与えることで、猫の喉に引っかかるリスクを最小限に抑え、消化管への負担を軽減させることができます。
初めてししゃもを猫に食べさせるときは、アレルギーの有無や体質に合うかを確認するため、耳かき1杯程度の極少量を少しずつ与えて様子を見てください。食後の体調や便の様子に異変がないことを確認した上で、徐々に量を調節します。

猫にししゃもを与える際の1日あたりの適量は、体重3kgから4kgの成猫の場合、ほぐした身の状態で約5gから10g程度が目安となります。カロリーとしては約8kcalから15kcal以内に収めるのが理想的です。
これは猫が必要とする1日の総摂取カロリーの10%未満に相当する量であり、これを超えると肥満や栄養バランスの偏りを招く原因になります。日常的な主食ではなく、特別な日のトッピングやおやつとして、適量を守って与えるようにしてください。

ししゃもは適切な調理と適切な量を守れば、猫に健康効果をもたらす美味しい食材となります。必ず無塩・無添加のものを選び、しっかりと加熱した上で骨を綺麗に取り除き、細かくほぐしてから与えるように心がけてください。
愛猫の健康を第一に考え、日々のキャットフードの栄養バランスを崩さない範囲で、安全にししゃもを食事に取り入れていきましょう。